第5回
原子力施設等防災専門部会
速記録
原子力安全委員会
(注:この速記録の発言内容については、発言者のチェックを受けたものではありません)
原子力安全委員会 第5回 原子力施設等防災専門部会
議事次第
1.日 時 : 平成14年8月6日(火)10時00分〜12時00分
2.場 所 : 原子力安全委員会
第1、第2会議室(虎ノ門三井ビル2階)
3.議 題 :
(1)「原子力災害時におけるメンタルヘルス対策のあり方について」(案)
(2)その他
4.配布資料 :
資料第5−1号 第4回原子力施設等防災専門部会議事概要(案)
資料第5−2号 「原子力災害時におけるメンタルヘルス対策のあり方について」(案)
資料第5−3号 「原子力施設等の防災対策について」(改訂案)
資料第5−4号 原子力緊急事態における解除の条件に関する検討について
常備資料 「原子力施設等の防災対策について」
常備資料 「緊急被ばく医療のあり方について」
出
席
者
<専門委員>
石塚 昶雄 ×榎田 洋一 ×海部 孝治 片山 恒雄 金子 勝
河瀬 一治 神田 啓治 ×草間 朋子 ×近藤 駿介 佐竹 宏文
首藤 由紀 竹内 康浩 ×田中 俊一 野村 保 長谷川和俊
樋口 英雄 ×廣井 脩 藤城 俊夫 藤元 憲三 邉見 弘
×堀 達也 前川 和彦 松尾 多盛 松鶴 秀夫 吉井 博明
吉村 秀實
<心のケア検討会主査 専門委員>
吉川 武彦
<任命手続き中の専門委員>
田中 啓行
欠席 ×
午前10時05分開会
○片山部会長 では時間になりましたので、第5回原子力施設等防災専門部会を始めたいと思います。
事務局は定足数の確認をしてください。
○事務局(角川) 専門部会構成委員26名中14名の専門委員が出席しており、定足数の3分の1以上に達しております。
本日の会議のためにご出席いただいている方がございますので、簡単にご紹介させていただきます。
まず初めに、原子力災害時におけるメンタルヘルス対策のあり方についての案をご説明いただくため、心のケア及び健康不安対策検討会主査であります国立精神神経センター精神保健研究所名誉所長でございます吉川先生に来ていただいております。また、管理環境課長の方ですが、7月7日付で野口の方から重政に交代いたしました。重政課長の方からご一言お願いいたします。
○重政課長 7月7日付で原子力安全保安院の方から参りました重政と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
○事務局(角川) そのほか、本日ご都合が合わないため代理出席いただいている方がございますのでご紹介させていただきます。
電気事業連合会海部委員の代理として藤井様でございます。そのほか、東日本電信電話(株)サービス運営部災害対策室の担当部長でございますが、田中委員に本日はご出席いただいてございます。田中委員につきましては、現在発令手続中でございますが、新しく防災部会の専門委員としてご活躍いただくことになっております。
続きまして、その他の方の議題になりますが、解除の条件の審議のところのご説明をいただくために、日本原子力研究所保健物理部線量管理課の山本課長に来ていただいております。
以上でございます。
○片山部会長 それでは、原子力施設等防災専門委員会、今から第5回会合が開催でございます。
この会合は公開でありますので、発言内容は速記録として残しますので、ご発言が重ならないよう私の指名後ご発言をお願いいたします。
それでは、事務局より配布資料の確認をお願いします。
○事務局(角川) まず1枚紙でございますが、原子力安全委員会第5回原子力施設等防災専門部会議事次第がございます。
続きまして、資料第5−1号、第4回原子力施設等防災専門部会議事概要(案)でございます。
続きまして、資料第5−2号、「原子力災害時におけるメンタルヘルス対策のあり方について」(案)でございます。
続きまして、資料第5−3号、「原子力施設等の防災対策について」(改訂案)でございます。
続きまして、資料第5−4号、原子力緊急事態における解除の条件に関する検討についての資料でございます。
そのほか、メインテーブルの上には常備資料といたしまして、「原子力施設等の防災対策について」と「緊急被ばく医療のあり方について」の2つがテーブルの上に置かれているかと思います。
資料の方、お手元の方にきちんとそろっておりますでしょうか。
○片山部会長 お手元に資料がない方はどうぞ事務局までお願いいたします。
それでは、前回議事録の確認をお願いいたします。
○事務局(角川) それでは、資料第5−1号でございますが、前回の第4回原子力施設等防災専門部会は、平成14年4月23日火曜日、14時から16時20分ということで開催されてございます。
内容は次の裏のページになりますけれども、まず、「原子力災害時における安定ヨウ素剤予防服用の考え方について」に関する意見についてでございますが、主な反映点としましては以下のとおりでございます。
ちょっと読み上げさせていただきますが、服用対象者については、甲状腺機能異常症を有する者については、ヨウ素を含む製剤の服用によって問題を生ずるのは、長期にわたり服用した場合であるため、原子力災害時には、甲状腺機能異常症を有する者も、安定ヨウ素剤を服用する。
次、服用量についてですが、成人で、少なくとも30mgの量のヨウ化カリウムを単回服用すれば、放射性ヨウ素の甲状腺への集積を十分に抑制する効果があること。現在、準備されている丸薬(ヨウ素38mgを含む)は、服用に係る実効性が高いこと。等を考慮して、3歳以上13歳未満の服用量については、ヨウ素量38mg、13歳以上40歳未満の服用量については、ヨウ素量72mgとしております。
続いて、「地域の三次被ばく医療機関が担う役割等について」に関する意見についてでございますが、こちらについては、公募について寄せられた意見と回答案の概要説明がなされました。また、被ばく医療分科会で審議された報告書文言の修正点について説明がなされております。
3番目、「原子力施設等の防災対策について(改訂)」に関する意見についてでございますが、主な意見としましては以下のとおりでございます。
読み上げますと、新生児、乳幼児には、安定ヨウ素剤予防服用の措置について、最優先とすべきとの意見があり、その旨の記載を追加すること。これら3つの報告書につきましては、一部修正の上、原子力安全委員会に報告され、安全委員会了承及び決定されてございます。
4番目としまして、原子力緊急時支援・研修センターの概要についてということで、野村委員より、平成14年3月に整備されました原子力緊急時支援・研修センターの概要について説明がなされております。その後、事務局より防災部会の専門委員による視察を計画している旨の説明がなされております。これについては、7月12日に防災部会の専門委員、それから関東圏の緊急助言組織の応急対策調査委員とあわせて茨城県の支援センターとオフサイセンターの視察を行ってございます。
以上でございます。
○片山部会長 ただいまのご説明に対して何かご意見、ご質問等はございますでしょうか。
特にご意見がなければ案をとらせていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
それでは、きょうは3つ議論がありますけれども、最初は「原子力災害時におけるメンタルヘルス対策のあり方について」の案をご紹介いただいて、「原子力施設等の防災対策について」の改訂案への取り組み、続けてご説明をいただきますが、原子力災害時におけるメンタルヘルス対策のあり方については、吉川検討会主査からご説明をお願いいたします。よろしくお願いします。
○吉川委員 国立精神神経センター精神保健研究所名誉所長の吉川でございます。この検討会の主査をやらせていただきまして、この会議に参加していただきました多くの方々にさまざまなご意見もいただきましたし、そして、その後のさまざまな会議の中でもいろんな方からご意見をいただきまして今日のご報告に至りましたことを最初にお話を申し上げます。
それでは、私の方からお手元にあります「原子力災害時におけるメンタルヘルス対策のあり方について」(案)についてご説明をさせていただきます。
この案、最初の1ページを開いていただきますと目次がございますけれども、目次は全部で7項目立てになっております。7項目立ての1、2、3についてまず最初にお話をし、それから4について全般的にお話をいたしまして、5、6、7につきまして、4と重なる部分もありますので5、6、7はまとめてまたご報告いたします。したがいまして、ご報告は3点に分けてご報告させていただきます。
そして、その目次の一番下のところに参考文献とそれから参考資料と書いてございますけれども、参考資料の方を時にはお開きいただくことがあるかもしれませんが、後ほどこれをご検討いただければと思ってつけてございます。ご説明の途中で参考資料というふうに申し上げることがあると思いますが、あらかじめそういうふうに申し上げておきます。
それでは、3点についてお話をいたしますけれども、第1は1、2、3、すなわち災害時におけるメンタルヘルス対策の必要性、それから2、原子力災害時における心的衝撃、精神的負担及び心理的変化の特徴及び3、メンタルヘルス対策の基本的な考え方というこの3項目についてお話をいたします。
それに先立ちまして、まず「はじめに」というところを開いていただきます。
この「はじめに」というところに書きましたことは、JCOの事故以来さまざま問題になりましたが、このメンタルヘルスの対策というものが重要であるということが言われるようになりこの検討会が設けられたということと、この検討会の中でどのような考え方で検討してきたかということを一応書いてございます。最後の方だけちょっと読ませていただきます。
下から七、八行目ぐらいのところで、「原子力災害時におけるメンタルヘルスに関する知見は十分とはいいがたいが、本報告では、JCO事故の経験、地震災害、火山災害等の自然災害における経験などをもとに検討を行い、原子力災害時における心的衝撃、精神的負担及び心理的変化を整理し、具体的な対応策を示すとともに、一元的な対応が行える体制の整備を提言する。」と、こういうふうに書かせていただきました。この中に盛りました言葉が後々たくさん出てまいりますが、大きく分けますと、原子力災害のみを検討したのではなくて、自然災害との関係というものを検討しながらこの報告書に至ったということをここに書かせていただきました。
それから、その下のフレーズでございますが、「また、原子力災害に伴う心的衝撃、精神的負担及び心理的変化は、災害の規模、形態により様々であり、必要な対策も異なる。本報告の検討に当たっては、防災指針において想定されている事象を対象とした。なお、用語については、精神医学的分野で用いられている意味ではなく、日常に用いられている意味で用いるとともに、本報告の理解に資するよう、メンタルヘルスに関する専門的な用語などについて解説を参考資料として作成した。」と書いておきました。すなわち、この最後のフレーズの前半のところは、原子力災害に特有な問題を特に検討したと書きましたが、それらにつきましても、精神医学的な視点からも見ましたけれども、用語その他につきましては精神医学用語を専ら用いるということではなくて、一般的な意味で用いられる言葉をできるだけ採用し理解をしていただくことに努めたというような意味合いを書かせていただきました。
以上、「はじめに」というところを終わらせていただきます。
以後、1から3のところまで検討させていただきます。
まず、第1のところに「災害時におけるメンタルヘルス対策の必要性」と、1ページの一番上でございますが、ここに3点取り上げてあります。
まず第1点は、この対策の必要性として自身の安全が確認され、日常生活が回復した場合には自然に軽快するが、注意力の低下等による思わぬ事故の発生、飲酒や喫煙の増加、防災業務関係者等の中でも直接住民に援助を提供する者等のトラブル等につながるというようなそうした視点から、まずメンタルヘルス対策の必要性があるというのが第1点として挙げましたし、それから、この災害の発生を契機として、うつ病であるとかPTSD、これは参考資料1と書いてございますが、このPTSD等の精神疾患を発症する等のことがあるということのためにこの検討を必要としたという第2点。それから第3点は、災害に伴う心的衝撃、精神的負担及び心理的変化は、災害の形態、規模によって異なる。そういう意味では、原子力災害の特徴、自然災害との共通点を整理して対策を講じる必要があるということで、災害時におけるメンタルヘルス対策の必要性を3点挙げておきました。
2のところで、「原子力災害時における心的衝撃、精神的負担及び心理的変化の特徴」というところでは、やはり真ん中辺のところに書きましたが、健康不安という言葉を使いまして、健康不安には、将来的な影響に対する不安、子供への影響に対する不安等が存在するといった特徴があると。原子力災害の場合ですね。また、健康不安を抱く原因となる心的衝撃の中には、放射線や放射性物質の存在はいわば五感で直接感ずることができない問題がありますので、自然災害等の場合とは異なって痛みというものを直接感ずることはありませんし、ある種の目撃というようなことがなかなか起こりませんので直接的な体験が少ないという特徴があるということで、その原子力災害時における心理的変化の特徴をここで挙げておきました。
なお、そのすぐ下のところに、一方、避難等の措置が実施された場合には、先ほどの健康不安ということとは違って生活環境上の変化に伴う精神的な負担がかかるということがあります。その点では、基本的には自然災害と共通であると考えられるということで、この心理的変化の特徴のところに、原子力災害に特有な問題として先に挙げました点と、それから2番目は、自然災害と共通する点として2つ目を挙げ、原子力災害時における心理的変化の特徴を検討したということでございます。
さて、3番目、「メンタルヘルス対策の基本的な考え方」としては、ここに(1)から(5)まで挙げてございます。この中身は細かく申し上げませんけれども、(1)のところは、原子力災害の経過と必要な対応というまとめ方をいたしまして、その2ページの一番上の3行目あたりのところから書きましたが、周辺住民等に生じた精神的負担及び心理的変化を的確に把握し、周辺住民等が必要とする援助を適切に提供する必要があるということがまずメンタルヘルス対策の基本的な考え方の(1)として取り上げました。
(2)のところに、適切な情報提供の重要性ということを取り上げてあります。これに関しましては、この(2)のところの一番最後の行のところにありますように、さまざまな被ばくによる身体的な健康影響であるとか情報提供を行う際については、被ばく線量あるいは放射線の身体的健康影響等に関して、とにかくわかりやすい形で情報提供を実施することが重要であるという、そうした基本的な考え方で臨みました。
3番目、(3)のところでございますが、連携・協力体制というところに書きましたことは、やはりこれの最後の方でございますが、常に平常時から準備をするようにということを書き加えてあります。すなわち、平常時から関係機関における連携・協力体制を構築し、一元的な対応が実施できるように準備しておくことが必要であるということであります。事件が起こってからだけではなくて、平常時からぜひこうした連携・協力体制をとっておく必要があるだろうということを基本的な考え方として提示しました。
4番目のところは、特にメンタルヘルス対策の今度は担い手の問題として書いたものでございます。災害時においては、メンタルヘルス対策を単にメンタルヘルスの専門家と言われる人たちが取り組む対策として考えるだけではなくて、一般の援助者、さまざまな援助が中に入ってくると思いますが、こうした一般の援助者も、周辺住民のメンタルヘルスを支えるための役割を担っているということを十分認識してほしいという意味合いをここに書き込んであります。メンタルヘルス対策の担い手は当然のことながら、精神科医はもちろんでございますけれどもさまざまな方々がメンタルヘルスの対策の担い手として考えられますけれども、そうした専門性の高い人たちの問題だけではなくて、一般の援助者もぜひこのことについては認識をしてほしいということを基本的な考え方とさせていただきました。
それから、5番目のところは、被ばく患者、防災業務関係者及び原子力施設の従事者への対策ということも見落としてはいけないという意味で、5番目のところにそのことも考えたということで基本的な考え方の中に挙げさせていただいたわけです。
以上、1から3までのところがまず第1点のご説明でございます。これらが総論というふうに考えていただければと思います。
以下、各論でございますけれども、各論の4、3ページの4のところ、すなわち周辺住民に対するメンタルヘルス対策についてということと、先ほど冒頭に申し上げましたように、5、6、7はそれぞれメンタルヘルス対策を必要としているさまざまな方々を想定して書いてございます。
すなわち、目次のところにちょっと戻っていただければわかりますけれども、5番目は被ばく患者に対するメンタルヘルス対策でございますし、6番目は防災業務関係者に対するメンタルヘルス対策、そして7番目は原子力従事者に対するメンタルヘルス対策という三者について別々に書きましたけれども、基本的には周辺住民等に対するメンタルヘルス対策ということと共通しているものが多いというわけで、4番目のところを特にこれからご説明させていただきます。
4番目のところの周辺住民に対するメンタルヘルス対策、3ページの一番上の方でございますが、ここのところから4−1、4−1−1以下ずっと書いてございます。その辺のところを少し整理してお話をさせていただきます。
まず4−1−1のところにありますように、原子力災害に特徴的な精神的負担及び心理的負担ということで、(1)から(3)まで書いてございます。
まず第1に、情報の不足、不的確な情報が流れやすいということ、あるいは情報の錯綜ということによる不安、こういうものを以下「情報不安」というふうに呼ばせていただきますけれども、こうした情報不安が非常に大きいということを第1点として挙げてあります。
それから第2点は、先ほども申し上げました健康不安が大きいということでございます。
それから3番目は、その他の精神的負担及び心理的変化ということで、全体をその中におけるもの、その2つに合わないものを一応まとめてはございますけれども、大きくその両括弧3つに分けてここでは書きました。
そして、今度は心理的変化の中で自然災害と共通するもの、それにつきまして4−1−2のところにまとめておきました。4−1−2のところを簡単に説明させていただきます。
(1)から(4)までに整理してございますが、先ほども申し上げました原子力災害等とそれから自然災害とに共通するものといたしましては避難等がありますので、そうした避難等の措置が実施された場合に精神的負担が大きくなるということで、避難等の措置が実施された場合の精神的負担についてこのところに書きました。例えば、この中で3行目のところにありますように、プライバシーの保護が困難になるというようなことは、もう避難所における生活を体験しますとどなたも感ずることでございますし、このことによって精神的な不安が大きくなると、あるいは負担が大きくなるというふうに考えるべきだろうというのが第1点。
それから、実際にストレスがかかるわけでございますので、こうした災害という非日常的な事態に遭遇しておりますので、それにより直接的なストレスがかかることは皆様方もよくご存じだと思います。この(2)のところはそのところを書きまして、そのストレス反応として黒ポツがありますように、疲労感、食欲不振等の身体的な反応が起こること、飲酒及び喫煙の増加など行動面の変化が起こること、それから集中力、思考力等の低下が起こる思考面の反応が起こること、それから孤立感、イライラなどの感情面の反応が起こることなどを考えなければいけないだろうということを指摘しました。
3番目のところは、今度はこの実際の事件によりまして今度は精神的な傷といって、トラウマティック・ストレスと書きましたけれども、精神的な傷がつくということを考えていかなければいけないということでございまして、ここのところには、原子力災害の発生現場や被ばく患者の目撃体験、あるいは心理的衝撃が非常に強い場合には、その体験が災害終息後においても記憶の中に残りさまざまな症状を示す、これらをトラウマティック・ストレスというふうに言いますが、こうしたトラウマティック・ストレス反応が生じるおそれがあるというわけで3のところにそれをまとめました。
4のところは、その他の精神的負担及び心理的負担ということでございますが、いずれにいたしましても、もともと精神的に負担があるとすぐに不安を起こしやすい方々もおられるわけでございまして、こうした原子力災害においても自然災害においても精神的負担が急激に大きくなりますので、不安状態がまた起こることもあるし、抑うつ状態に入ることもあるし、そうしたことが新たに発生することもあるでしょうが、再発という契機になりやすいということも注意しなければいけないということで、4−1−2のところの(1)から(4)にそれをまとめました。
さて、その次、4−1−3でございます。5ページのところに移ります。
5ページのところは、原子力災害時における心理的変化を考える上での留意点として(1)から(3)挙げました。
この(1)のところに、我が国における特有の歴史的背景というものをここで述べましたのは、何回かの議論の中で、やはり原子力災害に関して我が国で極めて住民の方々が反応を起こしやすいのは、やはり私たちの国が原子爆弾の被害に遭っているということがどこか影響しているんではないだろうかということで、やはりこういうものを頭に置きながら原子力災害についての理解というものも住民に求めていかなければいけないという考え方が示されたからであります。我が国は、広島・長崎の原爆を体験した唯一の被爆国であり、国民の多くが放射線被ばくの悪影響に対して敏感であるという背景を有しているということをきちっと押さえておこうということでございました。
(2)のところは、医療機関における被ばく、原子力災害時の被ばくとの相違点ということをここでメモしてあります。
医療機関においても、当然ながらさまざまな放射線を浴びるわけでございますから、こうした放射線による被ばくについては診療所の問題でもあるわけでございますけれども、そういうものと、それから原子力災害の時の被ばくの相違というものをしっかりと分けて考えるということを頭に置いて、そして住民に接していかなければいけないだろうということが考えられました。
(3)のところは、放射線の身体的な健康影響の捉え方としてここにメモしたものでございます。
こうした4−1−3のところの原子力災害における心理的変化を考える上での留意点を挙げた上で、次に、4−2のところに周辺住民等に対するメンタルヘルス対策の具体的な考え方として図を示してございます。ここは図の方でご説明いたします。
少し横になっていますのでちょっと位置を変えていただきまして、国とそれから地方公共団体との関係というのは二重の矢印、行ったり来たりものと、それから一方的に黒い矢印という、その矢印のところにありますように両方は相互に関係を持っていかなくてはならないけれども、国は専門家の派遣というものを考えるというわけで黒の一本線が入っています。地方公共団体の括弧のところには災害対策本部ができ、メンタルヘルス専門家の組み込みをここで行わなければいけない、これは文章の中にも書いてございます。こうしてさまざまな問い合わせの窓口をこの中につくる、そして、それがまた二重の矢印を行ったり来たりの矢印になりましてメンタルヘルスの拠点を下のところにつくっておく。
そのメンタルヘルスの拠点といいますのは、保健所等を中心にしたものと、市町村保健センターを中心にしたものとその両方があり得るだろうと。保健所等の方には健康相談窓口、心の相談窓口、それぞれ設けられるだろうが、それぞれの市町村の保健センターにも同様な窓口が設けられるだろうと。これらを両方あわせてメンタルヘルスの拠点とすると。
そのメンタルヘルスの拠点と、それから今度は右の方にあります精神保健福祉センター、これは各県に、あるいは政令指定都市にございます精神保健福祉センターというものが厚生労働行政の中で置かれておりますけれども、この精神保健福祉センターとの関係、これもやはり二重の線で結ばれているものと、それから技術援助、技術指導というものは精神保健福祉センターの方からメンタルヘルス拠点の方に差し上げるものということで矢印が行っております。こういうお互いの関係の中で、各都道府県、政令指定都市にあります精神保健福祉センターとの連携をとりながらメンタルヘルス拠点が活動するようになるということであります。
このメンタルヘルスの拠点と今度は周辺住民等の関係でございますが、この周辺住民等の関係が今度は黒い矢印の行ったり来たりになっておりまして、周辺住民等との間はこのメンタルヘルス拠点との間で直接的にさまざまな交渉が行われることになるだろうと。そして、メンタルヘルス拠点の方から後にお話いたしますアウトリーチの活動というものが中心になって、またそこのところには周辺住民に対しても活動が行くはずであるということと、相談活動に関しましてはまさに行ったり来たりの矢印で、周辺住民からメンタルヘルスの拠点へ相談が来る場合、そしてまたさまざまな問題がないだろうかということで投げかけをこのメンタルヘルス拠点の保健所、あるいは市町村の保健センターから行うであろうということを想定してこのところで矢印が行ったり来たりになっています。
なお、ある時期がきますとこのメンタルヘルスの拠点も次第次第に終息をして、そして撤去されていくことにもなるでしょうし、そうした時期を過ぎますと、今度はこうしたメンタルヘルスの問題に関しましては精神保健福祉センターが担っていかなければいけないということにもなるだろうということで、精神保健福祉センターとの間で黒い矢印の行ったり来たりになっております。ここにも書きましたように、保健所、市町村保健センターで対応が困難なものもここで受けなくちゃいけなくなりますでしょうし、それから時期が来て、そしてある種の終息をしてきた時には精神保健福祉センターがこうした相談の窓口になるだろうということを想定してこうした整理をいたしました。
これらを図で説明いたしましたことが5ページの(1)のところの災害対策本部へのメンタルヘルスの専門家の組込み、あるいは(2)メンタルヘルス対策の拠点というわけで7ページのところ、(3)国、地方公共団体等との連携というようなことにつながりますし、4−3のところに書きましたメンタルヘルス対策を実施する上での援助者の専門性に応じた役割というところの一部にかかわってまいります。
さて、7ページの4−3の今のメンタルヘルス対策を実施する上での援助者の専門性に応じた役割として、先ほども申しました(1)のところにあります一般の援助者の役割というものをやはり重視したいと思って(1)のところに書きました。
すなわち、当然のことながら医療関係者、メンタルヘルスの専門家等の役割はあるわけでございますけれども、一般の援助者もやはり役割があるというふうに考えて、(1)のところに医療関係者以外の一般の援助者が、それぞれの業務を適切に行うことが周辺住民のメンタルヘルスを支える上で重要であると。しかしそれだけではなくて、今度は8ページの上の2行目のところに移りますが、援助者が周辺住民等と個別に顔を合わせ、声をかけることにより、周辺住民等は援助活動を身近に感じることになり安心感を与えることができると。その際、周辺住民等の心理的変化を感じ取り、必要に応じて(2)あるいは(3)のこうした関係者のところに報告をするという形をとっていくことがより重層化した相談体制につながっていくだろうということであります。
(2)と(3)のところは当然のことでございますので、これは省かせていただきます。
8ページのところ、4−4のところ、災害の経過に応じた対策の考え方、これは、災害というのは当然発生直後の、あるいは発生の終息期、それぞれの時期によって違いますし、終息をしたとしてもその後のフォローも大切でございます。そういうようなことがありますので、災害の経過に応じた対策ということを考えなければいけないということをそこに記しました。
9ページのところは、周辺住民に対するメンタルヘルス対策としてまとめたものでございます。これに関しましては、やはり10ページに図がついています。この図のご説明をしながらまとめます。
図2、周辺住民等に対するメンタルヘルス対策の概念図と書きましたが、平常時と、それから応急対策時と事後対策時と、こういうふうにそのそれぞれの時期によって分けるという考え方を立てまして、平常時においても周辺住民等への情報提供はしっかりとやっておくこと、それから援助者への情報提供、教育及び訓練をしっかりとやってほしいということ、それから情報伝達活動、アウトリーチ活動、それから相談窓口の設置等に関する準備もしておいてほしいということを平常時の対策としてやはりしてほしいということでありました。
それから、応急対策としては、とりあえず情報伝達活動、避難所の設置ということがありますし、黒ポツの3つほどそこにまとめておきましたし、応急対策と事後対策との中間的な問題としてアウトリーチ活動があるということをそこに書きました。
アウトリーチ活動と言いますのは、専門的な専門性の高い人がさまざまな情報提供を行うと同時に、その住民の人たちからさまざまな心理的な負担の大きさというものを把握するというようなことを外へ出て行くことで、相談活動として待っている相談だけでなく外へ出ていく活動をするということでございます。このアウトリーチ活動が重要であるということを真ん中のところに書きました。これは黒ポツの4つに書いてあります。
それと同時に、やはり住民の方から持ちかけてくる相談に対して適切に応ずるということが必要であろうということで、丸の3つ目のところを相談活動として書いてございます。これは、特に黒ポツの2つ目のところに相談の内容とか心理的変化の程度に応じて相談者の引継ぎをしっかりとしてほしいということもここのところに書かせていただきました。
以上のことが9ページの4−5−1(1)、(2)あるいは(3)というところに書いたところでございますし、それから4−5−2のところ原子力災害発生後における対策として(1)、1)、2)、3)ということ、そして1)、2)のところ、そしてa)、b)ですね、12ページに移ります。それから、3)説明会というようなことを具体的にここの中に説明してございます。図の中にないことももちろん少しこの文章の中で説明してございます。
なお、先ほど申しましたアウトリーチの問題に関しましては、12ページの(2)のところに、真ん中から下のところでございますが、アウトリーチ活動としてまとめてあります。援助者の方から周辺住民のところへ赴くことであると。ここでは、援助者の中でも医師、保健師、看護師、精神保健福祉士等の医療関係者が周辺住民のところへ赴き、援助を提供することをアウトリーチというというふうに書きました。こうしたことが先ほどの図の中にほぼまとめて書いてございます。
そのほか、先ほどの図の中にも、この13ページの(3)の相談窓口における相談活動の内容、1)、2)、そして(4)のところは先ほどの図の中には特別書いてはございませんでしたけれども、14ページの(4)のところに避難所等における対策ということも書かせていただきました。
こうしたことを総合いたしまして、14ページのところにメンタルヘルス対策の実効性を高めるために、実効性向上のためにどういうことに注意しなければいけないのかということをまとめておきました。
(1)のところに、原子力災害の特徴を踏まえた対応をしてほしいということを書かせていただきましたのは、前書きのところにも述べましたように、原子力災害、放射線災害というのはやはり目に見えないというような問題もありますし、そうしたことを踏まえて住民等の不安がどういうものであるかということをきちんととらえてほしいということ。
(2)メンタルヘルスの専門性を強調しないことと書きましたのは、今までお話申し上げてきたことに多少矛盾するようにお聞きいただくことがあるかもしれませんけれども、精神保健福祉士の対策といいますのは、やはりそれを表に出していきますと住民の方からはむしろ余分な不安を呼び起こす危険があります。心のケアというようなことをしばしば言いますけれども、住民から見れば自分が精神病になったと思われたのではないかというふうにさまざまな不安を持ったりいたしますし、精神医学に対する、あるいは精神障害に関する偏見がなおまだ強い日本の社会の中では、メンタルヘルスの専門性というものを強調することがむしろマイナスになることもあるということについてここで注意を喚起した次第であります。
そこで、(3)メンタルヘルス対策を行う上での工夫について少し述べておきました。
メンタルヘルスの工夫について、15ページの2行目のところに、心理的デブリーフィングというような言葉を書きましたけれども、これは参考資料のところに述べてありますのでこれは後ほどまたお読みいただければと思いますが、要は、ここのところに書きました工夫の1)、2)、3)というところに書きましたが、援助者を対象にした研修会をできるだけ積極的に開いてほしいということと、2)のところにあります妊婦、子供たちがいる家庭の保護者に対して研修会を開いてほしいということであります。
これは、直接住民に対してさまざまな情報提供をすることも重要でございますけれども、やはり事件、事故の起こった直後といいますのは、必ずしもこうしたじっくりと話をしながら理解を求めるということは難しいこともありますので、こうした研修会といいますのも援助者を対象にしてまず研修会を開いていくことということが重要だというふうに考えます。
この中で、さまざまな質問表の記入の仕方などについてもぜひこの研修会でやってほしいということ、それから住民を対象にする時というような時には、妊婦や子供がいる家庭の保護者を対象にした研修会をできるだけ開いて、そして健康不安、特に胎児や何かへの不安、健康影響というものに関して十分に理解を求めるということをする必要があるだろうということを書きました。こんなことを書いたわけでございます。
なお、(4)、(5)というところに、またお読みいただければおわかりいただけますけれども、こうした少し専門性の高い人間がどういうことを考えなければいけないのかということを書かせていただいております。
さて、16ページのところは4−7、その他の留意すべき事項というものをまとめました。これらは特に外部ボランティアとの関係、それから報道機関との協力、医療機関との連携と書きましたが、中でも(2)のところ、報道機関との協力というのは大変重要でございまして、報道機関が一人歩きをして、そしてさまざまな情報を住民にお伝えくださることはいいんですが、その住民の不安をむしろあおり立ててしまう危険すらあるということもありますので、こうした事件、事故が起こった時には報道機関との協力を十分にしていかなければいけないということを私どもは考えました。
さて、3番目の医療機関との連携は当然のことでございます。
そして、17ページのところに災害弱者への配慮というものを書かせていただきましたが、これもまた当然のことでございますのでこれも少し省かせていただきます。
さて、5と6と7と書きましたこと、そのことは先ほども申しましたようにこの4のところに大変共通いたします。例えば、5−1のところにあります被ばく患者における精神的負担及び心理的変化というものも、健康不安、その他の精神的負担及び心理的変化と書いておきましたことも、特別に被ばく患者に関して求められるものを少しメモしてはございますけれども共通しているものがかなりあります。
そして、5−2のところの被ばく患者に対するメンタルヘルス対策も、「入院等」という18ページの(2)のところあります入院生活というものを必要とするような時になりますと、これはまた被ばく患者のプライバシーの問題もありますし、また報道等との関係もありますし、さまざまあるとは思いますけれども、このことも基本的には今まで申し上げたことと同じでございます。
さて、そうしたことのほかに、5−3のところには被ばく患者への家族への配慮というものをしてほしいということを書かせていただきました。
6番目の防災業務関係者に対するメンタルヘルス対策は、まさに先ほど申し上げました周辺住民と、それから被ばく患者とほぼ共通したものを書いてございますけれども、少し違うところがございますのでそれだけ強調させていただきます。
この違う点といいますのは、19ページの(1)の原子力災害に特徴的な精神的負担及び心理的変化の2)、原子力事業者と同一視されることによる精神的負担というものが大きいということを防災業務関係者について特に強調させていただきました。
これは、その後に申し上げます原子力事業者の問題等も関係いたしますけれども、防災業務で入っている人に対して周辺の住民あるいは被ばくした人たち、そういう人たちが原子力事業者と同一視してしまって防災業務関係者に対してさまざまな非難というようなものを向ける危険性があるということをここのところで明記をいたしました。それによる精神的な負担を受ける防災業務関係者がいるということにも注意しなければいけないということを書かせていただいたわけです。
それから、(2)のところの1)の過度の業務に伴う疲労、それから2)使命感と防災活動の制約による葛藤、それから3)住民感情が向けられることと書きました。1)、2)、3)というのは、やはり防災業務関係者にとっては大変つらいところだということで、これにつきましては、特に防災業務関係者に関してはメンタルヘルス上考慮しなければいけない点として取り上げさせていただいたわけであります。
こうしたことを踏まえて6−2、防災業務関係者に対するメンタルヘルス対策というものを考えてほしいということで、平常時における対策、それから2番目の原子力災害発生後における対策として、特に(2)の2)、20ページの下から七、八行目のところです。業務ローテーションと役割分担の明確化というふうに書かせていただきましたのは、防災業務関係者は、やはり大変こうした事故が起こった時には忙しく、またなかなか手が抜けないところもあります。そして、先ほど申しました使命感等の問題もありましてなかなか、その業務をやっている時はメンタルヘルス上の問題をすぐに考えなくてもいいようではありますけれども、しかし実際には負担が大きくて、そしてつぶれてしまう危険性があります。そのために業務ローテーションをしっかりと考えてほしいということをここに書きました。
21ページに移ります。
21ページのところに、防災業務関係者につきましては、特に業務の価値付けと書きましたけれども、自分が今やっていることはどういうことなのかという自分の業務というものを一度認識すると同時に、それに価値をつける、評価をしていくということが大切だと思います。単純に言えば、防災業務関係者へのねぎらいというものをやはりいつでも考えておかなければいけないということをここで書かせていただいたわけです。
そして、相談体制につきましては、防災業務関係者に関しましてはある一つのシステムの中におられますので相談体制があるように見えますけれども、実際にはなかなか相談がしにくいということがあります。もちろん忙しいし、またローテーションを組まれていますのでなかなか抜けられないということもありますし、したがって、相談体制が組まれていながら相談できないというような問題があるということを認識し、そしてそれらにつきましても十分に配慮してほしいということをここに書かせていただいたわけであります。
7番目、原子力施設の従事者に対するメンタルヘルス対策といいますのは、この施設に従事している者も当然のことながら被害者である場合もあるわけでございますし、そしてメンタルヘルス対策等を必要とする方々も当然出てまいります。こうした人たちに対するメンタルヘルス対策も十分に配慮しなければいけないという意味で、先ほどから申し上げました周辺住民と同じようにそれぞれの問題について検討するということをしながら、なおかつ特徴的なことをここに書かせていただいたようなわけであります。
以上、少し長くなりましたけれどもご説明を終わりますが、最後に23ページになりますでしょうか、ページはついておりませんけれども「おわりに」ですね、これだけのことを申し上げましたけれども、本報告では、原子力災害に対応する上でメンタルヘルス対策の基本的な考え方及び具体的方策について提案をいたしました。国、地方公共団体は、本報告の内容を十分に参考にしていただき、そして各種マニュアルの整備、教育及び訓練等の実施等により、より実効性のあるメンタルヘルス対策体制を構築することを期待するものであります。そうしたおわりの文章をつけさせていただいたことをご報告させていただきます。
以上です。
○片山部会長 どうもありがとうございました。
では、ご質問等は後ほどにして、続いて、この報告をもとに作成した原子力施設等の防災対策についての改訂案について、事務局より説明をお願いします。
○橋本補佐 事務局でございます。原子力施設等の防災対策についてということで、資料第5−3号をお開きいただけますでしょうか。
この資料5−3号でございますけれども、お手元のところの右側にある常備資料のところに、さらに改訂する部分という形で改訂した部分のところのみを掲載させていただいております。
まず目次のところでございますけれども、今回メンタルヘルス対策のところにつきましては、この緊急被ばく医療の中の一環の中にちょっと入れさせていただいております。緊急被ばく医療ということでございますので、要するに災害が発生時の医療ということと、メンタルヘルス対策になるとその後も長期的に続くという話なので、若干そこにそのまますっきり入れるのはどうかということもあるんですけれども、場所的にはここに入れるのが一番よろしいかと思いまして6−6という形で追加をさせていただいております。
次のページの付属資料というところでございますけれども、ここにもこのメンタルヘルス対策についてということと、あとこの指針の改訂の経緯というものについて改正をしております。
次の第1章の序のところでございますけれども、これも同じようにメンタルヘルス対策について改訂を行ったという文言をこの中に入れさせていただいておるところでございます。
次に、この見開いたところの36〜37、37と書いてありますところがこの第6章緊急被ばく医療、6−1、6−5の後の6−6原子力災害時におけるメンタルヘルス対策ということでございます。
基本的には、このもともとの報告書に書かれているエッセンスをそのまま載せている形でございまして、まず(1)のところでございますけれども、原子力災害の経過と必要な対応ということについて、この報告書に書かれていたことをそのまま非常にコンパクトにまとめた形で入れております。同様に、この適切な情報が提供されること、そういったことについての重要性の部分と、さらに、メンタルヘルス対策の担い手としての文言のところ、あるいはその対策体制ということで、先ほど国、地方自治体、その他そういう対策体制のところの絵の図をお見せいたしましたけれども、それにつきまして文言で簡単にまとめているものと、さらに、被ばく患者、防災業務関係者、原子力施設の従事者への対策についてもきちんと対策を整えるべきであるというようなことを指針の方に書かさせていただいております。
なお、この指針の6−6のところの一番最初のところに、「具体的な対策については付属資料15に示す」ということでございますけれども、その次を開いていただきますと、付属資料、目次というのがございまして、さらにその次のところの右括弧に(付属資料15)というところが、この下のページの123ページ、124ページと書いてあるところにございます。
この123ページ、124ページでございますけれども、メンタルヘルス対策についてということで、これももともとの報告書に書かれている趣旨をそのままコンパクトにまとめておるものでございまして、平常時における対策でございますとか、あるいは災害発生後における情報伝達活動、アウトリーチ活動、相談活動、避難所等における対策、そういったものについて述べております。さらに124ページのところには、先ほども申し上げましたとおり、被ばく患者、防災業務関係者、原子力施設の従事者、そういった者に対してのメンタルヘルス対策について、それぞれについて簡単に書かさせていただいているところでございます。
最後のページでございますけれども、指針の改訂の経過としてこの9.で平成14年何月と、ここはまだちょっとこれから、この報告書が最終的には安全委員会で決定という形で運ばなければなりませんので何月というのはまだ入れておりませんけれども、JCO事故における経験、地震災害等の自然災害における経緯などを踏まえてメンタルヘルス対策について改訂を行ったという意味で最後に書かれるということになっております。
簡単でございますが、以上でございます。
○片山部会長 どうもありがとうございました。
ただいまご説明いただいた原子力施設等の防災対策についてと、それから、その前にご説明いただいた原子力災害時におけるメンタルヘルス対策のあり方について、この2つについてご意見、ご質問をいただきたいと思います。できれば、始めの吉川先生からご説明いただいた長い方のレポートについてのご質問、それからご意見等がございましたらどうぞよろしくお願いします。
○神田委員 非常に広範囲な検討を行われたことは評価できますが、文章が何か非常に幼稚で何を言っているかわからない。
例えば、援助者という言葉を報告書の1ページでは、「防災業務関係者の中でも、直接住民に援助を提供する者(以下「援助者」)」、定義するんだったらその前に喫煙の増加とか何かあいまいな文章は省いていただいた方がわかりやすいという、それで援助者という言葉を例えば例にとりますと、この報告書の中では援助者というのをどういう認識をしているかというと一般の援助者と、それから医療関係者と何とかというふうに区別している。その区別がどこにも明確ではなくて、文章の中で何となくあらわれる。
それは、例えば7ページの一般の援助者、医療関係者、メンタルヘルスの専門家にといってここで初めて援助者には3種類あるということがわかる。そういうのが、例えば援助者というのを定義して、援助者とは何を意味して、イメージで書いているかということがわからないと、例えばこの6ページの図1を見ますと、ここには援助者というのは出てこない。援助者というのは直接住民と接触する人のことを援助者と言うんですが、この図で見ますと援助者はどこにも住民と接していない。だから、言っていることはいいんですけれども、もうちょっとそのあたりを検討していただいた方がいいんではないか。
それから、援助者の定義が防災業務関係者の中の一部分であるんなら、10ページの援助者への情報提供とか援助者の教育をしなきゃいかんというと、防災関係者が、誰が防災関係者に教育することになるのかわからないので、要するに援助者という言葉、例えば例にとって、それはどんな機能があってどんな人が入っていて、それに対して教育したり援助したり、訓練したり情報提供するのは一体誰なのか、それは地方公共団体がやるのか、あるいは国が考えているのか、大体この報告書はどこに向かって出しているかというと安全委員会に出しているわけですね。だから、安全委員会が決定するんだったら、それは要するに主語に当たるものはどこかと、あるいは対象者が誰かというのをもうちょっと明確にしていただけるとよりわかりやすい。
最後の方の事務局が用意してくれた資料を見ますと、大変文章は簡略化されてよく定義がされていますのでこれはわかりやすいんですが、しかし一般に出回るのはこっちではなくて報告書が出回ると思いますので、もうちょっとわかりやすいように修文してください。
ついでにぐちゃぐちゃと言いますが、トラウマティックなのかトラウマテックなのかトラウマティクなのか、3つ単語が出てきますね、1つの語句の中に。4ページにトラウマティック・ストレスと書いてあって、その4行下にはトラウマテック・ストレスと書いてあって、参考資料を見ようというと参考資料にはトラウマティク・ストレスとなっていると。何かそういう用語の統一がとれていないのも報告書の品位にかかわると思います。
それからもう一つついでに言うと、JCOの事故を前例のない大事故というとらえ方はおかしいと思いますね。我が国において前例のない事故となったぐらいで、例えば関係者が遭った事故を大事故と言っていたら、例えばチェルノブイリなんかは原子力関係者ではない人が遭ったら大事故ですが、原子力関係者が被害が遭ったような時に大事故。それは、その前に起きた臨界事故、アルゼンチンであった臨界事故の時に私はIAEAの事故調査団の団長を務めまして報告書をまとめたんですが、IAEAでもアルゼンチン政府でも大事故という評価は一切しなかった。これは、関係者が1人死んだのであるから単なる事故であるというとらえ方。それから、JCOの事故の後、10月4日にIAEAで私がJCOで何が起きたかという講演会をやった時の反応からも、日本はなぜこれを大事故と考えているんだという非難ごうごうであったという、そういうことからいってここに大事故の大は要らないと思うんですけど。まとめてぐちゃぐちゃ言って申しわけありません。
○片山部会長 今2点いただいたと思いますが、トラウマティック、トラウマテック、これは完全なるミステイクでありますので統一いたします。
初めの援助者の定義とか援助者の種類とかいうようなことがちょっと読みにくいということと、それからもう一つは、JCOの事故を我が国では前例のない大事故というふうに、「はじめに」のところで書いてあるのは「大」は要らないんではないかというご意見のようでございますが、どうぞ、よろしくお願いします。
○吉川委員 よろしゅうございますか。
言葉のごちゃごちゃしているというのは、ご指摘のとおりで大変申しわけないことをしています。ただ、援助者という言葉だけについて私はお答えをさせていただきますけれども、こうした事故の時は援助者であるべき者が非援助者になることもありますし、援助者でさまざまそうした転換があり得るものであります。ですから、最初から定義ということは確かにすればできないことはないかもしれませんけれども、例えば防災関係者が援助者になると同時に非援助者になり得ることもある、すなわち、さまざまなメンタルヘルス上の問題を抱えて、その人に対して誰かが援助を行わなければいけないということもあり得ることになります。
そんなことを考えて、援助者というのをその時その時で多少使い分けなければいけないと考えて、最初に明快な定義をした上で使うということができなかったということを、全体の流れの中でできなかったということをまず弁解とともにご報告をしなければいけません。その上で、援助者というのをその都度その中身をどういうものを意味しているのかというような意味合いで使わせていただいているので、最初のところで定義をした上で使うということができなかったということを申し上げたいと思います。
そこがまず最初のお答えのところで、大事故の件に関しましては私ちょっと、私の方でこのことはちょっと申し上げにくいので……
○橋本補佐 まず、その大事故云々ということでございますけれども、その表現が妥当か妥当でないかという以前に、実はその緊急被ばく医療のあり方についてという報告書のところの「はじめに」というのところ表現でも、平成11年9月30日に、株式会社JCOウラン加工工場において発生した臨界事故は、安全確保を大前提に原子力の開発利用を進めてきた我が国にとって3名の作業員が重篤な放射線被ばくを受け、2名が亡くなれるなど、前例のない大事故となったという形で、既に報告書の中で過去の報告書でも記載しておりまして、この表現が新たに今回その心のケアの報告書になった時にあえて直さなければならないという理由は基本的にはないと考えております。
以上でございます。
○片山部会長 いかがですか。
私は、この全体のレポートは、文章もよくこういうものにしてはできているというふうに理解しておりますけれども、援助者というのも普通に援助をする人という意味でとらえていけば、決して全体を読んだ時にどこかで援助者というのが定義されていないとか、種類が書いていないということで読みにくいというふうには私は感じませんでしたけれども、何かほかの方のご意見もあれば、はい、どうぞ。
○前川委員 被ばく医療分科会の主査の前川でございますが、これは確かにおっしゃるとおり、これは自然科学の立場で白黒明確にという言葉では少しないんではないかと思います。今も吉川主査がお話になりましたように、実際援助者が援助を受ける場合もあるということからすると、一般的な意味でその住民に援助の手を差し伸べる人全体を言うわけでありまして、それがこのレポートを読むに従って少しずつ明確になっていって一般的な意味での援助者、それから医療関係者というふうに後で分けてきていますので、お読みになるに従ってわかってくるという意味では、確かに自然科学の論文あるいはレポートで初めに定義ありきではないということをご理解いただければと思います。
○片山部会長 だんだん読めばわかるとは先ほどもおっしゃっておられましたよね。
○神田委員 読めばわかるんですけれども、援助者は要するに知識がある人なのかない人なのかというのが場所によって違うんですよね。ですから、知識がない人という前提で書いてあるところと知識がある人という前提で書いてあることがあると、読み込めば読めますけれども、ぱっと読んだ時に知識がない人が援助者なのかとか、あるいは知識が十分でなくって書いてありますよね。それから、知識は十分だから援助者はやるというふうなところとあるとどっちなんだって。私、住民大会でこういう説明を何回もやってきているんですよ。いろんな都道府県に行って。いつも突っ込まれるのはこういうところから突っ込まれているんです。この報告書何ですかと言って、防災部会って何考えているんですかってやられるのは、私説明会に行くとやられるのは私ですからあいまいな文章はできるだけ少ない方がありがたいということですね。
○片山部会長 先生のお立場はわかりますけれども、読んでいって余り抵抗は感じませんし、援助者というのは行為を持って援助する人というのは、それぐらいの感じからスタートしているみたいですよね。それで、そのうちにお医者さんとか何かも当然援助者で、援助者の中で特別のあれを持っておられない方もおられるというような立場が出てくるので余りおかしくはないと思います。
はい、どうぞ。
○佐竹委員 吉川先生を初め関係された方のこのメンタルヘルスの対策のあり方の報告書、まとめていただいてありがとうございました。私ども素人には非常にわかったような気になる報告書であります。
ただ、1つだけ一番重要なことは、メンタルヘルスの専門家がこのような事故に携われる際にはやはり放射能といったようなこと、それからこういった被ばく線量に対しては心配しなくていい、ぎりぎり、あるいはこれは非常に心配しないといかんというふうなことに精通されていないと、メンタルヘルスを受けたことによってかえって悪くなることがあると思います。ただ、この中をずっと読んでみますと、いろんなところで教育訓練というのがありますけれども、メンタルヘルスの専門家に対してそういった教育がむだになることを願いつつではありますけれども、やはり定期的に、例えば放射線医学研究所のようなところでメンタルヘルスの専門家に1年に1度ずつくらい毎年研修されることが必要ではないかと思います。
したがいまして、この最後の23ページの終わりのところの最後の2行のところに教育及び訓練とありますけれども、こういったところに改めて老婆心かもわかりませんが、関係者を含むすべての人に対する教育訓練というふうなことを入れて、メンタルヘルスの専門家の方についても放射線、放射能の教育は重要だぞという、それを特に取り上げられなくても結構ですけれども、それが入っているんだということを強調してほしいと思います。
○片山部会長 よろしゅうございますか。
○吉川委員 ありがとうございました。
おっしゃるとおりでございまして、私が今ご発言を受けとめたのは、まず1つは、メンタルヘルスに関するたくさんのご理解を放射線関係者にももちろん受けとめていただきたいということを言っていただいたと思いますし、同時にメンタルヘルス関係者も放射線関係のやはり情報をきちっと受けとめておかなければいけないということ、そうでなかったならば十分にお互いに連携をとりながらこうした事態に対応できないのではないかということ、その後者の部分が少し私はこの検討会の中の報告に欠けていたのかなということを今私はお話を伺いながら受けとめました。
そういう意味で、この報告はあくまでもメンタルヘルスに関する検討をいたしたことでございますので、メンタルヘルス関係者の方から見てどうかということをできるだけ述べたものでございましたので、今お話いただきましたところが少し視点として欠けていたなということは今感じております。ありがとうございました。
○片山部会長 はい、どうぞ。
○前川委員 ただいまのご指摘のそのメンタルヘルスの関係者が放射線医学に関する理解、これについてはこの検討会では議論しました。現実に、例えばそのメンタルヘルス関係者のネットワークをつくってこういう原子力災害に関する知識を十分に知った人のネットワークをつくったらどうだろうという議論も実は出たんですが、確かにこの報告書の中では文字化されていないという部分がございますので少し検討させていただきたいと思います。
○神田委員 このまま通ってしまいそうなのでもう一回抵抗しておきたいんですけれども、例えば14ページの4−6のところの真ん中の4行で、これは主語がない文章なんですけれども、また、原子力災害の場合には、医療関係者に報告するなどと、これは誰が報告するのかと。援助者がすることになるんだったら主語の位置が違いますが、もしそうだったら援助者は非常にそういう能力があることが援助者であって、ちょっと先に行きますと、援助者は講習を受けるというのが15ページにあって、援助者を対象とした研修会というのがあります。その研修会の中では、実習として自己記入式質問表に記入することにより、ここに参考資料4と書いてありますから参考資料4を見ますと、これがその何とか表に当たっているのかどうかよくわかりません。援助者が実習を受けるためのあれが参考資料4に書いてあるんではないんではないかという気がするのと、要するにもうちょっと手を入れていただいて通していただかないと、このまま通ってしまうと、書かれた方は大変ご苦労なんですけれども、私どもみたいに地方をどさ回りしながら説明して回る人間からするとつらい立場になるということをもう一度ご理解いただきたい。
○石塚委員 神田先生と共通したような意見なんですが、2ページにメンタル対策の担い手というのがありまして、それから、ちょっと先にはなりますけれども改訂案の方のところに、36、37ページのところの(3)にメンタル対策の担い手と同じ項目があるんですけれども、メンタル対策の担い手が誰なのかということがここには余り書いていなくて、確かにその専門家のみが取り組む対策としてでなくてと書いてはあるんですけれども、ここはその対策の担い手のことは余り書いていなくて、一般の援助者も取り組むことが重要であるということが書いてあって、誰が一体メンタル対策の主たる担い手なのかということがここには余り書いていないんだと思うんですね。
この後ろの方の対策体制の方に主たる担い手がいるんで、ここにはその対策の担い手と書きながら、逆にここでは一般の援助者もやることが重たる担い手がここに書いてあるという感じなんですね。そこをもうちょっと整理して書いていただいた方がよくわかるんではないかというふうに思うんです。
○片山部会長 はい、どうぞ。
○吉井委員 全体的にはよく感じがわかるんですけれども、幾つかわからないところがありまして、1つは今の一般援助者の話なんですけれども、後の方で、たしか16ページに外部ボランティアというのが出てきて、これは調査活動をしたりなんかするという、ちょっと我々はどうなのか、我々はよく調査するので外部ボランティアになっちゃうのかもしれませんけれども、要するに一般援助者は何となくここでは、8ページのところですけれども、上の方では非常に安心感を与えるといういい面が書かれているわけですね。ところが外部ボランティアは非常にネガティブな面があると。そうすると、一般援助者というのは外部ボランティアでなさそうだなという気がするんですけれども、つまり、そうすると一般援助者というのはもうちょっとはっきりしないといけないし、ごく常識的に一般援助者を考えるならば多分マイナスの面、つまり避難している人たち、あるいはそういうところに行って助けてあげると、善意の押し売りをするような人たちが逆にマイナスをもらたす面も多分たくさんあるだろうと思うんですね。
ですから、ちょっと用心深く定義をするなり用語を使っていただけると、その辺やっぱりいい面と悪い面というか、つまり受ける方にとって傷になることもあるし、善意であっても傷になることもあるというごく常識的なことを考えると、何となくよく読んでいくとわからない点が出てくるなということが1つと、それから、16ページの外部ボランティアと書いてありますけれども、ちょっと私も調査する立場で言うと、外部からの調査チームが行う調査活動については、合わせて災害対策本部において把握することが重要であると書いてあるんですけれども、よくわかるんですけれども、ちょっとなかなかこの文章の中にわざわざここを入れる必要があるのかどうかということについて疑問があるなと。これは調査ということになればまたいろんな議論があるんではないかという、そういう感じがいたしました。
以上です。
○片山部会長 はい、どうぞ。
○吉川委員 まず言葉の問題について、なお少々弁解をしなければいけなことがあるような気がいたしますので発言をさせていただきます。それから今の調査ボランティアの問題について、また加えてお話をいたします。
先ほども少々お話をいたしましたけれども、メンタルヘルスの担い手というのは、メンタルヘルスのどの面を担ってくださるのかということによって担い手としていろんな面があるということなんですね。ですから、メンタルヘルスの担い手という言葉を使いながら一般援助者も担い手になり得るだろうし、いわゆる専門家というのも担い手になり得るだろうというのはそれぞれフェーズが違うからであります。それを一括して担い手をどう定義するか、援助者をどう定義するかということを決められないのがそのところでございまして、その都度その都度、ここでいう担い手に当たるものはどういうものを意味するのかとか、あるいは援助者がどういう意味を、ここでいう援助者というのはどういう人たちをいうのかというようなことをできるだけそこのところに書かせていただいたのであって、それは今言いましたように援助のフェーズによる違いがあるからであります。それがなかなかわかりにくいということであるならば、ちょっとどういうふうに書いたらいいのかなと今ちょっと大変迷っておりますけれども、ともかくもこの場ではそういう形で少し弁解をさせていただきます。実際にどういうふうに書いたらいいのかこれからちょっと考えさせていただきますけれども、そういうことでございます。
それから、今のマイナスのイメージということを言われて、なるほど、読ませていただくと、もう一度読みますとそういうふうに読めちゃうのかなと思ってとても気になりました。
ただ、そういうふうに読めてしまうような、確かに外部ボランティアの人が、特に調査目的なんかで入ってくることに対する少しネガティブな印象があるような書き方をしたのは、実際に今まで私も原子力災害も含めてさまざまな場面にこうした時に対応いたしましたけれども、本当にいろんな方々が入ってくるんですね。そして、言葉を悪く言えば、どこにもお知らせなくていろんなところを切り取って、そして調査をして帰って行かれると。それが逆に報告されると大変全体像を崩してしまう危険があるというようなことがあったという印象もあって、恐らくこういう書き方で少しネガティブにとられるような文章になったんだと思います。その点は私自身も今ご指摘を受けて、自分の中にそういう潜在的な問題があったということを意識させられました。そういう点ではおわびをいたします。
したがいまして、書き方は少し変えさせていただきますけれども、ただ、ここに書きました大きな意味は、災害本部を通してほしいということを言っているだけなんです。そうしたところを通して、そしてこの調査一つとっても、それからボランティア活動にいたしましても、こうした災害本部を通してきちっとした体制の中でやりたいと、またやっていかなければいけないだろうということを言いたかったということだけ少し弁解させていただきたいと思います。私の中に少しそうした潜在的な問題意識があったことを告白をしながら、内容的にご説明させていただきました。
○片山部会長 ほかにいかがでしょうか。
○吉村委員 16ページのその他の留意すべき事項の中でちょっと気になるんですが、報道機関との協力というところがありまして、内容的に何を求めているのかちょっとはっきりしないんですね。私は、これを報道機関との協力ということよりも、報道機関とのもともとあったかどうかは知りませんが、信頼関係の確立とか回復ということをきちっと事業者側が考えていただきたいと思っております。
これは阪神・淡路大震災の時にも問題になったんですが、例えばライフライン、水道ですとかガスとか、そういったライフラインの事業者との情報がきちっと行き渡らないと。どうしてそういうことが起きるかというと、もともと企業とか事業者とか、あるいは自治体もそうなんですが、マスコミというのは何か事があるとすぐ批判をして非常に扱いにくい、つき合いづらいと。
ですから、もともとつき合いがないもんですからいざという時に適切な情報が流れないという問題がありまして、ふだんからもっとそれぞれの立場を理解してもっと仲良くしてもっと勉強し合おうではないかという、ようやく阪神・淡路大震災をきっかけに機運が盛り上がったんですが、例えばここの報道機関との協力の中に報道機関による適切な情報提供はと簡単に書いてありますけれども、例えばその事業者側がこれまで何か災害なりがあるたびに、例えば情報の取得とか情報の捜査とか、あるいは虚偽の報告とか数え上げれば幾つもありまして、それが報道機関との信頼関係を損ねているんではないかという感じがするんですね。
ですから、そういった面で言うと、私ここにある例えば精神的負担となることがあるため、避難所での取材のあり方などについて特に配慮が必要であるという記述がありますけれども、これはもっともな話ですけれども、これはやはり報道機関も、先ほどのところで出てきたメンタルヘルス対策の担い手の一員であるよということを、この2ページのところに報道機関に対してそういうことを求めるということでいいんではないかと。私はあえてここの報道機関との協力というところを何か取り上げるんでしたら、私は信頼関係の回復とかそういったことを書いていただきたいなという感じがしたんですけれども、いかがでしょうか。
もちろん私もマスコミの一員でありましたから、特に原子力に対して不勉強なマスコミといいますか、記者なりそういった人間が数多くいることは承知しております。ですから、今後は互いに原子力災害に対してもっと勉強し合う姿勢が必要だということで私は協力ということを言ってほしいんであって、この避難所での取材のあり方などについての配慮が必要であるというような記述は、私はこの前段のそのメンタルヘルス対策の担い手の一員であるということを報道機関も認識してほしいというような要望として入れていただけたらなという感じがするんですが、いかがでしょうか。
○吉川委員 メンタルヘルスの担い手ということを報道機関の意識としてメンタルヘルスの担い手になってほしいということは私も大変思います。先ほどでも、メンタルヘルスの担い手というものがこれだけあいまいでなかなか定義めいたこともないということになりますと、ここにまた報道機関まで入りますともう本当に膨大になってしまって、担い手ということが専門家だけではなくて援助者という言葉を使っても、一般の援助者という言葉を使っても担い手まで広げたわけでございまして、そこに報道機関まで入っていただくということをこの報告書の中に私はちょっと入れにくいのではないかなと、こう思っています。
ただ、今ご指摘いただきましたことは大変重要なことでございまして、むしろ私は留意すべき点というところで、この報道機関との協力という言葉だけではなくて信頼関係を構築し協力し合う関係をつくるということで内容的にまとめさせていただければどうかなという気はいたします。
実際に、私はこの後段のところ、この項目の協力の後段のところの取材等に関して例示として挙げましたのは、これは確かに、これは今回のJCOの時ももちろんあったんですけれども、その前の和歌山のカレー事件の時もそうでしたし、さまざま体験いたしましたところで報道関係者との間でさまざまな問題があったことがありましたので1つの例示として書いてしまったんです。それも先ほど私が潜在意識がなかったと申し上げましたことと大変深い関係にありまして、こういうことを中にあらわしてしまったことが少し書き過ぎだったかなと今ちょっと反省しておりますので、むしろ積極的な意味で信頼関係をつくり、そして協力をし合うという、そうしたものにまとめさせていただくということでいかがでございましょうか。
○片山部会長 いろいろなご意見いただきまして、まだご意見があるかもしれませんけれども、今出てきた意見で一番大切なのは、やっぱり書き手と読み手で大分雰囲気がちょっと違ったというところは確かにあるようでございますので、その辺のところは先生、それから私どもの方で、皆様の100%ご満足いくかどうかはわかりませんけれども手を入れたいと思っておりますし、いずれパブリック・コメントを経て必要な最終的な了承までは行くわけでございますので、その間に今いろいろご意見があったようなことについては適切な対処をしたいというふうに思っております。これが最終版だというふうにはお考えいただかなくて結構で、神田先生、これがそのまま世の中に出回って困るというようなことは心配されないでください。今いろんなご意見いただいたところはよくわかりました。
だけど、たくさん質問が出るというのはよくわかる報告書だということでもまたありますので、それもまたご理解いただきたいというふうに思います。
じゃあ、こればっかりちょっとやっているわけにもいきませんので一応これは終わって、後で心のケア報告書にかかわる今後の予定のところで事務局の方から説明があるかもしれませんから、その時に事務局側としての対応を説明したいというふうに思います。
それでは、これを……、どの程度変えてどうしますかね。原子力安全委員会への報告というのを……
○橋本補佐 ちょっと内容等につきましてはこれから吉川先生の方と、あと片山部会長の方ともちょっとご相談させていただきますけれども、今、端的に言いますと、明らかに直した方がいいというふうに思われる部分は、この16ページの4−7の(1)の外部ボランティアとの連携の部分、報道機関との協力というところについては、もう少し書き込んだ形でそれでご理解をいただけるような文章とさせていただかなければならないかなと思っております。
あと、先ほど言いました援助者のその定義というところにつきましては、それぞれのフェーズにおいてあらわれるプレイヤーというか、援助者としてあらわれるプレイヤーというのがかなり異なるので、なかなかぱちっと最初から援助者はこの人ですというふうに定めると、じゃあそれ以外の人は何もしなくていいのかという、そういうことになりかねない可能性があるので、できればもうちょっと明確な書き方にはしますものの、援助者はこうだって最初からアプリオリに決めてしまうのはちょっと危なっかしいのかなとは思っています。
いずれにしても、ちょっと文章内容等につきましては、そこはこちらの方で考えさせていただきます。
○片山部会長 いずれにせよこのままの形で出ることはないというふうにご理解いただきたいと思います。
それから、確かに書いている側と読んでいる側で雰囲気がちょっと、取り方が違ったというのが一番大きな問題だと思いますので、私も読む側だったんだけれども、こういうふうに書く方にもちょっと、多少はいろいろやっているうちに書く側の雰囲気になっちゃってよく書けているような気がしたんですけれども、その辺のところはまたもう一ひねりしたいというふうに思います。
それから、きょうもう一つご検討いただきたいことは、原子力緊急事態における解除の条件に関する検討についてということで、きょうは報告書等で検討するわけではございませんけれども、今までの経緯等について、それから簡単な検討の経緯をご報告すると。それからこの後の検討に入るというちょっとどっちかというと前働きみたいなことをやらせていただきますので、その説明を事務局の方からお願いいたします。
○事務局(角川) それでは、資料第5−4号、原子力緊急事態における解除の条件に関する検討についてという資料を用いまして説明させていただきます。
まず、検討事項の概要といたしまして、経緯的なもののご紹介ということでご説明させていただきます。
まず1つ目としまして、原子力緊急事態の解除の条件の検討といたしましては、原災法により、内閣総理大臣が原子力緊急事態宣言を発した後、原子力災害の拡大防止を図るための応急対策を実施する必要がなくなったと認める時に、原子力緊急事態解除宣言をするものとされております。
この原子力緊急事態解除宣言を行うに当たっては、住民の安全や安心を確保するため慎重に対処する必要があることから、専門的知見による意見を反映させるため、原子力安全委員会の意見を聴くこととしております。
しかしながら、現時点において原子力緊急事態解除についてはJCO事故において行われただけでございまして、原子力施設等から放射性物質が放出されるという災害に対してさらに検討が必要であると考えております。このため、原子力緊急事態解除宣言を決定するための専門的知見について、緊急技術助言組織と連携をして審議をしながら取りまとめておく必要があると事務局の方では考えております。
もう一つは、原子力災害事後対策(各種制限措置の解除)の技術的・専門的事項の検討ということで、防災指針に示されておりますように、原子力災害時の防護対策として、屋内退避、コンクリート屋内退避、避難、安定ヨウ素剤の予防服用、飲食物摂取制限等が考えられます。これら各種の防護対策を解除するには慎重な配慮を要するため、あらかじめ技術的・専門的事項について検討する必要があると。そういった目的で、その原子力緊急事態における解除の条件に関する検討が必要だと。
原子力緊急事態解除に関する法令等の記載についてということでございますが、これはこの資料の一番最後のところの参考資料のところに示してございますが、まず原子力災害特別措置法の第15条の第4項のところに、「内閣総理大臣は、原子力緊急事態宣言をした後、原子力災害の拡大の防止をするための応急の対策を実施する必要がなくなったと認めるときは、速やかに、原子力安全委員会の意見を聴いて、原子力緊急事態の解除を行う旨の公示をするものとする。」と。また、原子力委員会及び原子力安全委員会設置法のところの第20条の2、緊急事態応急対策調査委員のところに、「委員会に、原子力災害対策特別措置法の規程によりその権限に属せられた事項について調査審議させるため、緊急事態応急対策調査委員を置く。」ということになってございます。
防災基本計画上の記載でございますが、こちらについては第3章の災害復旧のところに書かれてございます。
内閣総理大臣は、ここで書いてございますように、原子力安全委員会の意見を聴いて、原子力緊急事態解除宣言を行うということ、原子力安全委員会は、緊急事態応急対策調査委員からの報告を踏まえ、原子力緊急事態解除の宣言について意見を述べる。地方公共団体は、原子力安全委員会緊急事態応急対策調査委員等の判断等を踏まえ、各種制限措置の解除を行うものとする。こういった記載がございますので、安全委員会、防災部会の指針に基づいてこういった解除を行うということになってございますので、こういった原子力緊急事態における解除の条件について防災指針の中にある程度の記載をする必要があるだろうと、そういうことを考えてございます。
この審議を行うに当たりまして、原子力緊急事態の解除の条件に関する調査ということで、平成13年度、事務局として原子力緊急事態の解除の条件に関する調査ということで報告書として取りまとめております。この報告書の概要について今回ご紹介をいたしまして、平成14年度内をめどに検討結果を防災指針に反映させるというようなスケジュールで考えてございます。
次に、2ページの別紙でございますが、原子力緊急事態解除の条件に関する調査についてどのような調査をしたのかというようなところが別紙の方につくってございます。
調査の概要としましては、まず大きく2つございまして、1つは、過去の事例の調査でございます。もう一つは、原子力関連法令に係る緊急時の措置の整理、この2点について調査してございます。
まず1番目の過去の事例の調査でございますが、主として海外の原子力施設等の事故における災害対応事例についての調査検討を行っております。ここの白丸で書いてございますように、住民に対する放射線防護上の対策の解除を行うまでの関係機関・組織の役割。2つ目としましては、解除を行う際の放射線モニタリング等の測定項目、方法。3つ目としまして、遮へい、除染措置など解除に当たって採られた措置、こういったものを中心に調査をしてございます。
対象とした事故等につきましては、放射性物質等の異常な放出があり、防護対策として、周辺住民等の退避及び避難が実施されたものを選んでおります。また、施設の事故ではございませんけれども、放射線防護上の理由で住民等の避難が行われている事例として核実験場の跡地等での措置を取り上げまして、あわせて調査を行ってございます。調査結果については、ここに書いてございますように、原子炉施設に関する事故、核燃料施設に関する事故、それから核実験及びその他の事故ということで整理してございます。
表の方はちょっと後でご説明しますが、そのほか原子力関連法令に係る緊急時の措置の整理といたしまして、法令における位置付け、防護対策の解除に当たって留意すべき条件、線量等の測定内容等、こういったものを中心に調査してございます。
報告書の方は、次回の防災部会の方からメインテーブルの方に置いて審議したいと考えてございますが、その調査結果の概要としましては次のページの表1から表2のところに書いてございますように、左側に書いてございますように、発生年月日、場所、種類、特徴、主要な関係機関、実施された防護措置、解除された防護措置、解除判断の根拠、解除の際の環境モニタリング、解除の際に採られた遮へい、除染等の措置ということで一連の事故の方を調査してございます。
代表例をちょっとかいつまんでみますと、表1−1のところに、右から2つ目の項のところにトムスクの再処理施設の爆発というのがございますが、これについては、1993年4月6日、ロシア連邦のトムスクによって発生していると。種類としては、再処理工程施設の爆発。特徴としましては、放射性物質の環境放出。主要な関係機関としては、原子力省委員会。実施された防護措置としましては、就学前児童の自発的退避、児童に対する避難勧告、道路の利用制限。解除された防護措置については、避難解除は2.5カ月後、交通制限の解除とか行われておると。解除判断の根拠としましては、除染が完了したこと、それからモニタリング結果が除染基準値を満たしたこと。解除の際の環境モニタリングとしましては、汚染地域のサーベイ(空間放射線量率、β汚染度)、環境試料採取分析、それから除染基準値の設定というようなものを行っております。解除の際に採られた遮へい、除染等の措置については、汚染地区の除染、土壌の回収とか道路の除染等を含めて実施していると、このように概要を一覧表にして取りまとめたものでございます。
今回は、こういった解除の条件の検討をするに当たって、事前に安全委員会の事務局として調査報告書を取りまとめたということ。14年度内をめどに、次回この心のケアの意見公募の後の審議ぐらいからになるかと思いますが、その時からの審議に際してのちょっと解除の条件の検討に当たっての事前紹介というようなところでご紹介させていただきました。
以上でございます。
○片山部会長 どうもありがとうございました。
これについては、レポートをもとにしたきちんとしたご検討はこれから後になると思いますが、大体こういった方向で検討を続けていただいていると、調査を続けていただいていると。それから、法令では解除を行うと書いてあるんだけれども解除の基準の設定というのは実はどこにもないと。ある意味ではこういうことが必要だからこれから進めたいという前触れでございますが、特にご意見がございましたらお願いいたします。
○飛岡安全委員 私は、JCO臨界事故の時の緊急技術助言対応組織におりまして、その時にやっぱりこの問題は非常に悩みました。悩んだ一番の理由は、この解除される条件というところに関して2派あったんですね。
1つは、要するにモニタリングの値がバックグラウンドまで下がることと平常時まで下がることという説と、それから、もうこれは臨界事故が終了しこれから下がるとわかっているんだから、例えばここで書いてあるIAEAのBSSみたいなベーシック・セーフティー・スタンダードみたいな基準と比べてそれより下がっていればいいんではないかという説と両方ございました。
これは随分長いディスカッションをしたんですけれども、結論としてはここに書いてあるようにバックグラウンドまで戻ることというのが条件だったと思うんです。これはこういう防護措置の解除ということと、それから防護措置をとっていることのリスクというやつの比べ方というのをもう少し考えていかなきゃいけない。本当にバックグラウンドレベルまで下がるまで待つ必要があるかどうかと。私は技術的にはそれはないというふうの派でございましたけれども、実際的にはバックグラウンドレベルまで下がる、その条件まで下がるまで待つというのがあの時の意思決定だったと思うんです。それが1点です。
それから、逆にもう一つやらなきゃいけないのは、こういう解除をするためにどういう測定をやっておかなきゃいけないかと、どういう情報を集めなきゃいけないかということに関するそのディスカッションがどうも緊急技術助言組織の方で少しおくれまして、あれは事故の2日目、できれば午前10時ぐらいにもう解除したいというふうに考えましたところ、いろいろいろんな理由で実際には4時ごろでしたか、かなり時間がおくれて解除したというのが実例でございますので、この辺については皆様方よくお考えいただきディスカッションしていただければありがたいと思うんです。
ただ、これはかなり軽傷な事故でございまして、チェルノブイリであるとかもっと重傷な事故とはまた違ったフェーズがあるということもご念頭に入れていただかなきゃいけないと。これは明らかにもう事故の性質が違っておりますので、その時の解除と、それから、そういうJCO事故みたいなどちらかというと軽傷の事故の解除の条件は多分違ってくるんではないかという気がいたします。念のため。
○片山部会長 どうもありがとうございました。
はい、どうぞ。
○首藤委員 今の飛岡先生のご意見と多分似たようなことになると思うんですけれども、私もこういった解除の判断の基準をつくるという時には、多分純粋に科学的な見地ですとか技術的な見地と言いつつも、やはりその措置をとった時に起こる社会的な影響ですとか、そういったことを十分考えなければいけないというふうに思います。
ですから、今回お調べいただいたいろいろな事例の中で、例えばJCO事故であれば、そのモニタリングの平常時まで戻ることとやったことでどれだけ解除に時間がかかってその影響は何だったのかとか、そういったことをいろんな事例について調べていただいて、あるいはこの測定方法をとるとどれだけ時間がかかるのかとか、そういったこともあわせて情報提供していただいて、全体としてバランスをどうとるのかということを議論することが必要だと思います。
以上です。
○片山部会長 何か。
○神田委員 飛岡委員が言われるその一定の足切りみたいなところ、クリアランスレベル的な考え方をやるというのはその方がいいと思います。
というのは、JCOの事故の時に被ばく者が九百何人というのはいまだに世界の笑い物になっているんですよね。3人が被ばく者ではないの、何で九百何人も被ばくしたのかと。いや、それはバックグラウンドよりちょっとでも高かった人は全部被ばく者と言ったと。その被ばく者という言葉を日本が非常に使ったのは本当に笑い物になっていることですから、やっぱり天然のレベルに下がるまで、天然のレベルもあいまいなのに、例えば天然のレベルの2倍程度に下がるまでとかと程度があればそれは一発で決まるんですけれども、天然の被ばくよりもちょっと超えた人はすべて被ばく者でやったという、少しは原子力安全委員会は反省してやってもらたいという気がしますね。それが1点。
それから、事故のスケールによって解除条件というのはもちろん違うと思うんですね。ですから、どの程度の事故というのは、事故はなかなか推定はつかないんですけれども、せめてレベルを3つぐらいに分けて解除の条件というのを検討しておくことは大変有効なことだというふうに思います。
○片山部会長 どうもありがとうございました。
ほかに。
○佐竹委員 その解除の際は、三十何年にわたってきました環境放射線モニタリングの結果などを十分勘案していただきたいと思います。
○片山部会長 何か、今調査をしている側の方からご意見なりお答えなり、そうしますとか何かありますか。
○橋本補佐 今ちょっといろいろいただきましたことも踏まえまして考えていきたいと思います。
また、なかなかこの場合悩ましい話としましては、実際にJCOの事故の時とかに、当日に私は村役場にちょっといたんですけれども、その時に村長さんはやはり早く住民を戻したいという意思が非常に強かったというのが事実でございまして、特にもう既にあの時起こって、いわゆる完全に避難の対象になった方が、その350メートルから避難になった方が何人かいらっしゃったんですけれども、そういう人たちに早く家に戻してあげたいと、それがやはりその人たちの安心につながるからだというようなご意見をその時にされていたというのはよく覚えています。
一方で、じゃあ本当に家に戻っていいのかと、戻れるのが安心なのかというような観点から、ここのJCO事故の中では家屋、土壌の汚染検査ということで、たしか話に聞いたところでは、戻られるところの家のところの例えばガラス戸が汚れていないかとか、そういうようなチェックもされたというふうに聞いておりまして、技術的に一つ足切りをどうするかという概念のものと、具体的にどういう対策まで行えば住民が戻れるという安心につながるかということの多分2点があるかと思います。その2点の部分につきましていろいろと皆様のお知恵をおかりできればと思っています。
また、たまたま原子力施設での事故というのは非常に数が少ないわけでございますけれども、やはり長期的に避難が余儀なくされて、その時に最後にじゃあ戻ってもいいですよというようなそのジャッジメントを下してもらうようなシチュエーションというのは、例えば火山の避難とかというのは典型的なものでございまして、有珠山の時もたしか北大の岡田教授という方がそのジャッジメントにかなりいろいろとお力を出していただいたところであるんですけれども、多分そのジャッジメントのところの部分というのはまさに今回その安全委員会に係るというところでございますので、その意味で、我々事務局の方としましても別に原子力ということにとどまらず広くそういう長期的な避難がなされて、それが解除される時にどういうやり方で行われるかというようなものが、ほかに事例があるようなものを少し見ながら参考にさせていただきまして、そういう資料等もつくりたいと思っております。
以上でございます。
○片山部会長 ほかにいかがですか。
どうぞ。
○藤元委員 今ちょうど住民の安心等の話もありましたけれども、あるレベルを切って避難をする、解除するというのはいいと思うんですが、そういった時にやはり住民の安心という、その安心感を先ほどのメンタルヘルスケアではありませんけれども、そういった部分を十分に考慮して、あるいは教育をして、平常からして住民が安心して帰れる状態にしないと、バックグラウンドよりも若干高いレベルである基準を設けて解除になりましたと。JCOの場合も、住民はバックグラウンドレベルに下がっていても自分の畑でつくったものは食べられないという状況がずっと精神的な不安から続いていましたから、そういった部分も十分に配慮した解除をしないと、ある基準以下だからいいといった単純的な判断ではうまくいかないと思いますので、そういった平常化なんですね、放射線に対する教育も踏まえた解除というものを考えなければいけないと思います。
○片山部会長 いかがでしょうか。
これは今からまな板にのっかるものですので、いろいろ今ご意見をいただいたようなことを心にとめて検討を進めていくということになろうかと思いますが、特に今の段階で言っておきたいこと、なければ最後、心のケア報告書に係る今後の予定について事務局の方からご説明いただきたいと思いますが。
○事務局(角川) それでは、事務局からでございますが、資料5−1号のところの議事録のところの6.(1)の服用量の記載のところでございますが、こちらの記載のところに新生児と乳幼児の服用量に対する記載が入ってございませんでしたので、この点のちょっと修正をさせていただきたいと思います。
服用量のところの黒ポツのところ後、「等」の後、何々等を考慮しての後でございますが、この後に、「新生児の服用量については、ヨウ素量12.5mg、乳幼児の服用量」、ここでいう乳幼児とは生後1カ月以上3歳未満でございますが、「については、ヨウ素量25mg」、この部分のところを追加させていただきます。
そのほか、本日審議させていただきました原子力災害時におけるメンタルヘルス対策のあり方について、それから、原子力施設等の防災対策についての改訂案につきましては、部会長と分科会主査、検討会主査等との相談の上、文面を修正させていただきまして、原子力安全委員会に報告いたしまして1カ月間の意見公募を行うということを考えてございます。その後、いただいた意見を本部会に報告し、ご審議いただくことになっております。そのほか、先ほど申しましたように、原子力緊急事態の解除の条件についての審議もあわせて実施したいと考えてございますのでよろしくお願いいたします。
以上でございます。
○片山部会長 以上でございますが、いかがでしょうか。
これ原子力安全委員会に報告してからパブリック・コメントというのは、逆みたいな気がするけどね。パブリック・コメントしてから原子力安全委員会に報告ではないの。
○橋本補佐 要するにこの報告書は、これが一応原子力安全委員会として今のところ考えているような案なんですけれども、国民の皆様いかがでございましょうか……
○片山部会長 まだまだ変えますよと……
○橋本補佐 まさにそういう意味で、安全委員会のところに報告がなされて初めてそこからスタートがされるという、一応そういう性質になっているところでございます。
○片山部会長 なるほど。
どうぞ。
○河瀬委員 その他になるのかもしれませんし、今のちょっとヨウ素剤のことでお伺いしたいんですけれども、私どもは地方自治体、特に議会の中でそのヨウ素剤の家庭配付をどうすべき云々という話がよく出ておりまして、非常に私どもは国としてのまだ方針がはっきりとは決まっていないということと、それと今乳幼児の話が出ましたけれども、その乳幼児に対しましては何か精製水で溶かして飲ませないとなかなか飲ませれないという、そうなりますと緊急時に家でその水をつくって溶かして飲ますということになりますと、非常にこれ難しいんではないかという実は思いもいたしております。
そういう中で、これも私素人で、きょうはそういう関係の先生方がいらっしゃったら教えてほしいんですけれども、そういう緊急時に放射線が出てきたわ、喉のここにたまらないために例えばマスクといいますか、例えば防毒マスクみたいなああいうんではなくて、本当に簡単に防御できるそのような研究はされておるのか、また、そういうものでヨウ素剤にかわる効果をあらわすことができるのかということをもしおわかりでしたら教えていただきたいなと思うんですけれども。
○片山部会長 では、先生、お願いできますか。
○前川委員 新生児にかかわる投与方法については、これについては具体的な方法も議論しまして、例えば地域の薬剤師さんや、あるいはその他の医療関係者の協力で精製水でヨウ化カリウムの粉末を溶かして投与すると。
現実、ご存じだと思いますけれども、あの丸薬を12.5mg正確に割るというのはほとんど不可能です。同時に、新生児にあのかたいものを飲ませるということも不可能です。ですから、不可能が2つ重なっておりますので、むしろ可能なのは、その精製水にヨウ化カリウムを溶いてもらってスポイトで飲ませるというのが具体的であると。新生児を扱っていらっしゃる看護婦さんや、あるいは子供病院の方々に来ていただいて現実に可能かどうかも議論いたしましたし、また薬剤師の立場でもできるかどうかも議論いたしました。
そういう具体的な方法も中に盛り込んでいますし、さらには今安全委員会や文科省の委託で実際の投与の仕方等のマニュアルづくりを今検討しておりますので、それをご参考いただければと思います。
2番目の質問について、どなたかお答えできる方はいらっしゃいますでしょうか。
○片山部会長 マスクはどうですか。
○橋本補佐 マスク云々ということでございますけれども、まずそもそもその防災指針の方のところに、実はこの防災指針の110ページ、111ページというところがございまして、そこの中で「家庭内及び個人が利用可能なものによって口及び鼻の保護を行った場合の1〜5μmの微粒子に対する除去効率」というのがございまして、実際にそういう避難がなされるような時とかの場合でも、いわゆるその粒子状のものでございますと、例えばこのハンカチとかを口に当てて覆ってもらうだけでも、それだけでもかなりの高い除去効率があるということでございます。ただし、これは当然のことながらいわゆる粒子状のものでございまして、逆に気体状のものでございますとこれについては余り効果がないと。
したがいまして、例えば、仮にいわゆるヨウ素を防ぐためのマスクというそれがあったとしても、いわゆる希ガスという方の、そちらの方にはあまりきいてこないということでございます。ただ、当然のことながらそういう原子力施設の中、一番やはり線量的に厳しくなるのは当然原子力施設の一番周辺で、まさにその事故が起こった時に、その時に作業を行われる事業者の職員の方々というのは多分一番重篤な被ばくをなされる可能がありまして、そういったところにつきましては、多分原災法の中でそういう資機材を置くようにという形が基本的に位置付けられているかと思います。
さらに、その広域の部分についての必要かどうかということについてはまた少し、ここに書かれている内容等につきましてもう少しきちんと見ていくのかなというふうには考えております。
以上でございます。
○片山部会長 よろしゅうございますか。どうもありがとうございました。
それでは、その他特に一言言っておきたいというようなことはございますでしょうか。
○藤元委員 メンタルヘルスの対策に関してはいずれヒアリング、一般に公開されることになると思うんですが、きょうはある程度時間的な制約があったために、私も含めて委員会の方々から今コメントしたいというのがあろうかと思いますので、しばらく事務局でその意見をメール等で受け付けていただいてそれも勘案いただいて、案を作成いただいて原子力安全委員会へ提出させていただければと思いますが。
○片山部会長 いかがでしょうか。よろしいですか。
○橋本補佐 はい、結構でございます。
○片山部会長 なるべく早い時期であれば、一応19日というのが原子力安全委員会の報告というふうになっておりますので、例えば今週中ぐらいにぜひともこの辺は考えていただきたいというようなことがあれば、いいんですか。
○橋本補佐 今週中までに意見をいただければ、その中で取り入れられるものを検討いたしまして、そしてまた吉川先生とか片山先生とかともご相談申し上げながら資料の方を作成していきたいと思っております。
○片山部会長 そういうことだそうですので、ご意見があれば書面で、ファクスでも結構ですが書面で事務局の方へお願いします。Eメールもあるんだよね、Eメール教えておいてください、じゃあ。教えてください。
○橋本補佐 それでしたら皆様方にファクスをお送りをいたしまして、それに書き込んで送ってもらうか、メールアドレスも書いておきますのでそこに送ってくださいという形にしておきますので、ということでございます。よろしくお願いいたします。
○片山部会長 そのようにいたしますので、ご意見があったらよろしくお寄せください。
第5回の原子力施設等防災専門部会、これで終わりにしたいと思いますが、よろしゅうございますか。
では、どうもありがとうございました。
○橋本補佐 あと、済みません、右肩のところに置きました常備資料につきましては、常備資料でございますのでお持ち帰りいただかないようによろしくお願いいたします。
午後12時03分閉会