3−2 日本海における海洋環境放射能調査の結果について(最終取りまとめ)
平成5年8月30日
放射能対策本部幹事会
1.旧ソ連・ロシアによる放射性廃棄物の海洋性廃棄物については,本年4月の放射能対策本部幹事会の決定を受け,4月〜6月に海上保安庁,気象庁,水産庁,科学技術庁放射線医学総合研究所による日本海の海洋環境放射能調査を実施した。その後,各機関におて採取した試料の分析が鋭意進められてきたところであるが,この程,本調査に係るすべての分析が終了した。また,水産庁が例年実施している日本海で漁獲された海産生物の放射能調査についても,現在までにさらに調査結果が追加された。
2.これらの分析結果は,科学技術庁の海洋環境放射能データ評価検討会において審議されてきたが,今般最終的な検討結果(別添1参照)が得られるとともに,従前より実施してきた日本近海各海域における海洋環境放射能調査結果についても同検討会において整理され,再評価(別添2参照)が行われた。
3.放射能対策本部においては,去る6月29日,その時点までに取りまとめられた調査結果等から,中間的取りまとめとして「現在までの調査によれば,本件海洋投棄により我が国国民の健康に対して影響が及んでいるものではない」と判断したところであるが,その後実施した上記の検討の結果をすべて考慮しても,日本周辺海域の環境放射能レベルに特段の異常は認められず,上記中間取りまとめの判断を再確認することができたと考える。
4.放射能対策本部幹事会としては,放射能対策本部の中間取りまとめに示された今後の対処方針に基づき,その具体化に努めることとするが,海洋環境放射能データ評価検討会の検討状況も踏まえ,特に,我が国国民の健康への影響を長期的に監視する観点から必要十分なデータを収得するため,日本海,オホーツク海を中心に海流等を考慮した放射能監視網の設定,従業の調査海域を広げた日本周辺海城の広域的な海洋環境調査等の継続的実施に努めるものとする。
(別添1)
日本海における海洋環境放射能調査の結果について(最終検討結果)
平成5年8月27日
海洋環境放射能
データ評価検討会
1.本調査の実施状況
旧ソ連・ロシアによる放射性廃棄物の海洋性投棄に関して,当該投棄の我が国への影響の有無を調べるため,本年4月から6月にかけて科学技術庁のほか海上保安庁,気象庁,水産庁により日本海の表面及び中・深層の海水,沖合の海底土を採取して分析が行われたほか,海産生物についても,最近,ロ本海で漁獲されたものを入手し,分析が実施された。本検討会においては,これらの調査結果につき,評価検討を行った。
本調査の概要と実施内容を別紙1に示す。
2.調査結果に係る評価検討
評価検討に際しては他海域を含めた過去の調査結果ともあわせて検討を行った。調査結果は別紙2のとおりである。
(1) 海水
海水についてはストロンチウム−90,セシウム−137,プルトニウム−(239+240)が検出されているが,これらはかつての核実験等による放射性降下物に起因するものであると考えられ,近年の調査結果と比較しても大きな相違はなく,異常な値は検印されなかった。
(2) 海底土
海底土についてはコバルト−60,ストロンチウム−90,セシウム−137,ビスマス−207及びプルトニウム−(239+240)が検出されているが,これらはかつての核実験等による放射性降下物に起因するものであると考えられ,近年の調査結果と比較しても大きな相違はなく,異常な値は検出されなかった。
(3) 海産生物
海産生物についてはストロンチウム−90,テクネチウム−99,銀−108m,セシウム−137及びプルトニウム−(239+240)が検出されているが,これらはかつての核実験等による放射性降下物に起因するものであると考えられ,近年の調査結果と比較しても大きな相違はなく,異常な値は検出されなかった。
3.結論
本調査結果においては,投棄海域近傍及びそれ以外で採取した試料からは異常は検出されておらず,さらに従前より実施してきた海洋環境放射能調査においても,これまでに特段の異常は検出されていないことも併せて考慮すれば,我が国国民の健康に対して影響が及んでいるものではないと判断する。
今後とも,我が国への放射能の影響について長期的に監視を続けることが必要であり,このため,日本海,オホーツク海を中心に海流に伴う放射性物質の移動等を考慮した放射能監視網の設定,従来の調査海域を拡大した幅広い海域での海洋環境調査等を今後継続して実施することが効果的であると考える。
(別添2)
過去に実施した日本周辺海域における海洋環境放射能調査データについて
平成5年8月27日
海洋環境放射能
データ評価検討会
日本周辺各海域における近年の調査結果は以下のとおりであり,これらはかつての核実験等による放射性降下物に起因するものであると考えられ,各海域とも特段の異常は認められない。