平成13年版原子力安全白書の概要
平成14年4月
原子力安全委員会
目 次
| 平成13年を振り返って | 1 |
| 安全確保のための感受性と先見性の涵養を | 1
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| 安全確保対策の強化 | 1
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| 平成13年の原子力施設の事故・故障の件数は減少したが... | 3
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| プルトニウム利用技術の安全性への関心 | 6
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| 第1編 プルトニウムに関する安全確保について | 7
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| 第1章 プルトニウム利用技術と特性 | 7
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| 第2章 原子炉におけるプルトニウムに関する安全確保 | 8
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| 第3章 核燃料施設におけるプルトニウムに関する安全確保 | 13
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| 第4章 輸送に関する安全確保 | 16
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| 第5章 まとめ〜プルサーマルの安全性とプルトニウム技術の今後の課題 | 16
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| 第2編 平成13年の動き |
| 第3編 原子力安全確保のための諸活動 |
資料編
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平成13年版原子力安全白書の概要
平成14年4月
原子力安全委員会事務局
本書は、「平成13年を振り返って」の後、第1編、第2編、第3編及び資料編から構成されている。
第1編では、「プルトニウムに関する安全確保について」と題し、今後の原子力政策上の重要課題であり、「プルサーマル」などの国民の関心も高いプルトニウム利用に係る安全確保について、科学的、技術的に説明している。
第2編では、「平成13年の動き」と題し、原子力安全委員会における過去約1年間(平成13年1月〜平成13年12月)の活動状況を紹介している。
第3編では、「原子力安全確保のための諸活動」と題し、我が国における原子力施設等の安全規制体制、防災体制、原子力安全研究、原子力安全に関する国際協力等について紹介している。
資料編では、原子力安全委員会関係の各種資料、安全確保の実績に関する各種資料等をとりまとめている。
原子力施設の安全確保と事故防止に向けて現場をはじめ様々な関係者において、恒常的に適切な緊張感を持った努力が続けられていますが、平成13年
11月に発生した浜岡原子力発電所1号機の場合も含めて、一連の事故・故障を見ますと、事故・故障の「種(タネ)」に対する感性の大切さを思わざるを得ません。施設の設計や作業の計画にあたっては、対象施設に限らずプラント全体に何か変化を起こす可能性はないか十分に気を配り、変化の可能性が見込まれる場合にはそれへの対策を講じておかなくてはなりません。特に、企画者、設計者、作業計画者及び現場管理者には、安全確保・事故防止のための感受性と先見性の涵養を強く望みたいと思います。「失敗に学ぶ」ことは、そのための最も良い訓練です。
- 平成13年1月の中央省庁の再編に伴い、原子力安全委員会が内閣府に移管され事務局体制が強化されました。また、経済産業省にエネルギー利用に関する安全規制を所掌する「原子力安全・保安院」が設立されました。この結果、我が国の原子力安全行政に関わる人員も約280人から約450人と拡充されるなど、原子力安全確保のための多重補完的な体制が整備・強化されました。
- 行政庁が行う保安検査等の内容について、報告を受けるとともに、その実施状況について把握・確認する規制調査を本格的に実施しました。そのうち、重要と考えられるもの等については、必要に応じ現地調査を含めて詳細な調査を行ってきています。
- 防災に関しては、緊急事態応急対策調査委員を大幅に増員するなど体制を整備するとともに、地方公共団体などとも連携し各種防災訓練に積極的に参加、協力してきました。
- 安全文化醸成に向けた現場での意見交換、現地調査を含む規制調査の実施等々の新たな取組みを実施するなど、原子力施設等の現場における意思疎通の強化に意を用いながら、原子力安全の実効性の向上に努めています。
- 情報公開については、従来から会議を公開で開催していますが、地方原子力安全委員会の開催、原子力安全意見・質問箱の活用、原子力公開資料センターの設置や情報公開法へ適切に対応すること等を通じ、一般の方々により近い関係を一層築くとともに、より透明性の高い安全行政の実施に努めています。
- 緊急被ばく医療の在り方やヨウ素剤の服用方法、審査指針類の体系化、放射線防止の基本的考えから、高レベル放射性廃棄物の最終処分における安全確保等について、各専門部会等で検討を行いました。
- 安全目標について、国際的な動向を踏まえた定量的リスク管理に向けて検討を開始しました。
原子力安全に関する知的基盤の体系的な蓄積・整備については、安全研究の年次計画の策定や成果発表会の開催による研究成果の普及等を通じて積極的に取り組んでいます。
- 我が国の初期の商業用原子力発電所が運転を開始してから約30年が経過 し、今後、原子力発電所の高経年化への対策が重要な課題となっています。原子力安全委員会としても効果的な高経年化対策に取り組んでいきます。
- 電気事業者が自主保安として実施しているアクシデントマネジメントの整備については、平成13年度中に終了し、その妥当性及び有効性評価の結果が経済産業省より原子力安全委員会に報告される予定です。原子力安全委員会においても、評価の結果について、その妥当性を審議することとしています。
- 平成13年9月11日に米国において発生した同時多発テロ事件を契機として、現在、原子力発電所をはじめとする我が国の原子力施設でも、万一の事態に備え一層の警備の強化が図られています。
一般的に原子力発電所については、他の産業施設に比較して堅固な設計となっており、核物質防護対策がとられています。さらに万一の原子力災害時に備えて防災体制の整備も進んでいます。不測の事態が発生した場合にも、これらの対策が基本的なものであると考えられ、防災対策を着実に講じるとともに、常にその実効性を維持・向上させることが重要です。
| 平成13年の原子力施設の事故・故障の件数は減少したが...
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今後の原子力政策上、プルトニウムに関し、国民の関心も高く、重要課題で あり、今回の白書の特集としてプルトニウムに関する安全 確保上の課題等に ついて取り上げます。
- プルトニウムの物質特性
- プルトニウムは天然にはほとんど存在せず、原子炉内でウランからプルトニウムが発生します。
- 放射線による身体への影響
- プルトニウムが体外にある時は問題ありませんが、プルトニウムを吸入すると、長期間体内に滞留し、アルファ線による体内被ばくのためガン発病の可能性があり、原子力安全委員会が定める指針等に基づき、適切な対策を講じることを求めています。
- プルトニウムの利用技術
- 核燃料のリサイクル
原子力発電に使用された使用済燃料からウランとプルトニウムを化学的処理により取り出し、再利用します。
- MOX燃料
使用済燃料から取り出したウランとプルトニウムを混合した燃料です。
- プルサーマル
軽水炉においてMOX燃料を使用することを意味します。
- 高速増殖炉
プルトニウムを燃料として使用します。高速中性子でプルトニウムを核分裂させながら、燃料中のウラン238をプルトニウム239に変えます。発電しながら消費した以上のプルトニウムを生成します。
- 新型転換炉「ふげん」でMOX燃料を700体以上使用した実績があります。
- 国際的管理体制
- IAEAの査察の積極的受け入れ等管理の透明性の確保等に取り組んでいます。
- プルトニウム関係の事故例
- これまで少なくとも8件の事例が発生していますが、1979年以降はプルトニウム施設において臨界事故は発生していません。
- 過去の事故において、施設外の一般人に被ばくの影響を与えた例はありません。
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第2章 原子炉におけるプルトニウムに関する安全確保
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| 第3章 核燃料施設におけるプルトニウムに関する安全確保
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- 核燃料施設は、災害を防止し、公共の安全を図るために、放射線を遮へいし、放射性物質を閉じ込めることが要求されます。平常時においては、放射線被ばくを合理的に達成できる限り低く(ALARAの原則)するための対策を講じ、また、異常時においては、異常の拡大を防止し、過度の放射線被ばくを及ぼさないための対策を講じることが求められています。
核燃料施設については、原子炉施設と比べて潜在的エネルギーは小さいものの、核燃料物質を溶液状や粉末状など分散しやすい状態で取り扱うため、扱う核燃料物質の形態に応じた閉じ込めの機能が特に重要となります。また、水溶液系で取扱う場合では、臨界質量が小さくなることから、臨界事故を防止するための対策も重要となります。
- ウラン燃料加工施設に比べて、MOX燃料加工施設では、次のような特性を考慮した安全対策を講じることが必要になります。
@放射能量が多く、アルファ線とともにガンマ線と中性子線が出る
Aプルトニウムは吸入すると特定の臓器に蓄積し、身体に影響を与えるおそれ
BMOX燃料は、ウラン燃料より少ない量で臨界に達する
- 従事者の内部被ばくの防止
粉末状のMOXを取り扱うMOX加工施設においては、従事者等のプルトニウムの吸入摂取による内部被ばくの防止を図る観点から、プルトニウムが作業環境や周辺環境に漏れたり、飛散したりしないようにすることが必要です。このため、MOX燃料を密封できるグローブボックスと呼ばれる装置を使用する等の安全確保対策が必要です。
- 従事者の外部被ばくの防止
従事者の外部被ばく量を低減するため、遠隔自動により、原料、製品の出し入れを行えるようにしたり、設備・機器の保守・補修に際しては、グローブボックスの表面等に適切な遮へい材を設置する等の安全確保対策が必要です。
- 臨界事故の防止
プルトニウムはウランと比較して核分裂しやすく、最小臨界量が少なくなります。このため、特に臨界防止の観点から厳重な核燃料管理が必要になります。MOXの取扱いでは、質量(重さ)管理、形状寸法(入れ物の形)管理等MOXの形態、形状等に応じて適切に管理することが重要です。
- 海外において製造された燃料を輸入する際には、輸入燃料体検査申請書に品質保証に関する説明書を添付させること等が必要です。輸入される燃料の健全性については、規制行政庁によるチェックで確認されています。
- 原子力安全委員会では、「再処理施設安全審査指針」(昭和61年2月20日)などを定め、再処理施設の安全審査を行うとともに、行政庁の行う建設、試験及び運転、防災対策などの安全規制活動を把握、確認してきています。
我が国では軽水炉燃料(ウラン燃料)の再処理については、20年以上の経験があり、総計約980トンの処理実績があります。
今後は、経年変化による故障対応、若年者への技術継承、保守補修時の安全確保、品質管理の充実などに努め、一層の安全性向上に努めていくことが重要です。
安全規制においても、施設定期検査、保安検査、規制調査などを通じて、これらの点について検認と監視を確実に行っていくことが求められています。
使用済のMOX燃料を処理する場合には、安全確保上、次の点に一層留意し、安全原則の基本に則って再処理をする必要があります。
@平常時及び事故時における環境への影響
A従事者に対する被ばく防止
B臨界事故の防止
Cプルトニウム及び超ウラン元素を含む廃棄物(TRU廃棄物*1)量の低減とその処理処分
ただし、MOX燃料の再処理は、現行ウラン燃料の再処理の延長線上にあり、上述の安全上の留意点に対応した運転条件などのプロセスの設計を行うことにより、ウラン燃料の場合と基本的に同じ安全技術が適用できると考えられています。
なお、高速増殖炉燃料の再処理については、高い燃焼度による影響や使用済燃料の組成にかなりの変化が予想されますので、その特徴を踏まえ、今後、原子炉、サイクル技術とともに安全確保を含め、行われている研究開発の成果が期待されます。
| *1 | TRU廃棄物;使用済燃料の再処理段階出てくる超ウラン元素を含んだ放射性廃棄物です。半減期の長いアルファ線を出す核種を含んでいるため、濃度の高いものは、高レベル廃棄物とほぼ同様に取り扱うことが必要と考えられています。
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- 平常時及び事故時の被ばく防止
現在の湿式再処理では、廃棄物量の減容、経済性の向上などのため、分離・精製の工程が短縮される傾向(3サイクルから2サイクルへ)にありますので、平常時の放出放射能が「ALARAの原則」に合致しているかどうか十分に評価する必要があります。
MOX燃料は、ウラン燃料に比してプルトニウム及び核分裂生成物の量が多くなりますので、それに対応して、これらの閉じ込め機能を充実させる必要があります。
- 従事者に対する被ばく防止
核分裂生成物及び超ウランの量が増大しますので、これに対応した遮へい能力の充実が必要であり、これが適切になされているか、作業区域に対応させ検認しなければなりません。
- 臨界事故の防止
使用済燃料中のプルトニウム量が増大するので、一層の臨界管理(特に質量制限)が必要となります。その際、人的過誤も考慮し、プルトニウムの増大量に対応した十分な臨界の防止対策がなされているか評価が必要です。
プルサーマル実施のため、当面、海外で加工されたMOX燃料を海上輸送す る必要があり、輸送経路での安全性について、国際的な理解を深めていく努力 が必要です。
国内輸送については、輸送方法の確認、輸送容器の健全性確保等の安全確保 対策が必要です。
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第5章 まとめ〜プルサーマルの安全性とプルトニウム技術の今後の課題
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- 軽水炉におけるプルトニウム利用(プルサーマル)に係る安全技術については、原子炉内の全燃料に対するMOX燃料の割合が1/3程度までは、これまでのウラン燃料に係る安全技術をベースとして科学的、技術的知見が蓄積されてきており、その技術的基盤は十分に整っていると考えられます。また、改良型沸騰水型原子炉では、全燃料をMOX燃料とした場合にも、現在の安全設計・評価手法を使って原子炉における安全を確保することができるという検討結果が得られています。
- プルトニウムを軽水炉内で利用することは新しいことではなく、現在稼働中の軽水炉で得られるエネルギーのおよそ3分の1は、実は、プルトニウムからのものです。ウラン燃料が原子炉の中で核分裂を起こしエネルギーを生産するとともに、その一部がプルトニウムに変換され、変換されたプルトニウムがまた核分裂を起こしてエネルギーを生産しているからです。プルトニウムを初めから軽水炉の燃料として使うものがプルサーマルですが、プルサーマルと現在のウラン燃料利用との違いは、従って、最初からプルトニウムを燃料の中に入れてあることと、プルサーマルの方がプルトニウムの混合割合が高いことです。
このプルサーマル技術には長年にわたる国際的な経験があります。そのような経験にも示されていますが、プルトニウムとウランの原子炉燃料としての特性に違いはあるものの、決定的な違いではありません。
- しかしながら、実際の設計に当たっては、燃料中心温度や制御棒の原子炉停止余裕等について、計算値の不確かさを見込みつつ安全余裕をとることが必要になります。具体的には、設計値・運転制限値・管理値の設定が規制値を満足する上で十分な余裕があることや、海外での実績や実験結果を活用するなどにより、設計における計算方法の信頼性等を事前に確認することが必要です。また、より一層の安全確保のため、引き続きMOX燃料の利用についてデータ収集を図ることが有効と考えています。
また、海外で加工されるMOX燃料については、英国BNFL社によるデータ不正問題の反省に立ち、その品質が維持・確保されていることを事業者自らが現地で確認するなどの安全確保対策を講じることが必要です。
- 国内のMOX燃料加工に関しては、現在、工場の建設が計画されており、原子力安全委員会において、安全審査指針を策定中です。その安全設計と安全操業に当たっては、海外での実績を十分に参考にするとともに、新型転換炉「ふげん」のMOX燃料を長年にわたって製造して来ている核燃料サイクル開発機構の技術を活用することが重要です。ただし、「ふげん」の燃料と軽水炉燃料とでは、設計に異なる点があり、その差を十分に考慮しておく必要があります。
- プルサ−マルに関しては、将来的にMOX燃料割合の増大や高燃焼度化が予想されており、それらに備えた研究が、今後、必要になると考えられます。
国の安全研究年次計画では、これらの将来的課題に備え、プルサーマルなどに関連した研究も取り上げています。さらに、民間や原子力発電技術機構等において、安全設計や安全運転の一層の向上を目指した共同研究や国際協力が行われています。核燃料サイクル分野では、MOX燃料を軽水炉で使ったあとの使用済みのMOX燃料を安全に再処理する技術を将来的に開発していく必要があり、そのための技術開発が、核燃料サイクル開発機構で進められています。
- 長期的にはプルサーマルから高速増殖炉へのより高度なプルトニウム利用の技術体系を目指すことが計画されています。そのため安全面においても、これに応えられる技術や制度を整えていくことが必要です。
具体的には、これまでに蓄積された知見やデータを生かして安全確保の充実を図るとともに、また、長期的には高速増殖炉におけるプルトニウム利用にあたっての技術的基盤として、各事業者、研究機関による安全技術の研究開発、人材育成・確保が必要であり、これら人材育成の場である研究施設、設備の充実が不可欠です。
特に、プルトニウムは、ウランと比較して、放射線防護上はもとより核物質管理の面からも、その安全上の取扱いに関して特別の対策を必要としています。
こうした観点から、研究機関、民間を問わず、現在行われている安全技術に関する研究開発を引き続き推進することが必要です。
- 今後、行政改革の一環として実施される日本原子力研究所と核燃料サイクル開発機構の廃止・統合の結果として、こうした技術基盤が揺らぐことがないようにしなければなりません。統合化された新法人を、原子力に関する基盤研究を体系的に実施する総合研究機関として位置付けるとともに、安全規制を支える人材の育成と供給、更にはそれらの人材が必要な設備等を活用して事故原因究明などにおいて重要な役割を果たすことができるよう、安全研究のために必要な資金確保を図るなど国の支援が必要です。事故の多くは人的過誤によるものであることから見ても、ハード面だけではなく、放射線管理と作業管理を適切に実施するとともに、安全文化の醸成を図るなどソフト面での取組みが重要であり、その点からも、人材育成が特に重要です。
- プルサーマルに関しては、プルトニウム利用に係る安全技術などに対する国民的理解を得ていくことが、その社会的基盤として欠かせません。その観点から、原子力安全行政の透明性をより高めるため、情報公開の更なる徹底が必要です。
- プルトニウム利用にあたっては、地球的規模の理解が重要であり、平和利用や核拡散防止への積極的な取組みと透明性の確保に向けた国際協力も必要です。
- 「絶対安全」はあり得ず、事故・故障をできるだけ起きないようにする、起きても大きな事故にならないようにする、事故の影響をできるだけ小さくするという原子力安全の基本原則を忘れてはなりません。
また、安全確保の最後の砦は「人」であって、人材育成に当たって、感受性と先見性の涵養が大切です。原子力安全委員会のみならず広く関係者は、そのような視点を忘れることなく、原子力安全に携わっていくことが必要です。
第2編 平成13年の動き
第1章 原子力安全委員会の活動
第1節 原子力安全委員会の組織について
第2節 「原子力安全委員会の当面の施策の基本方針」の実施状況
第3節 原子力安全委員会の活動状況について
第2章 平成13年の事故・故障等
表2−2 平成13年 原子力施設の事故・故障等一覧
第3編 原子力安全確保のための諸活動
第1章 原子力施設等に対する安全規制体制
第1節 実用発電用原子炉施設
第2節 試験研究用及び研究開発段階にある原子炉施設
第3節 核燃料施設
第4節 放射性廃棄物の処理・処分
第5節 核燃料物質等の輸送
第6節 放射性同位元素等
第2章 原子力施設の防災対策
第1節 原子力災害対策特別措置法について
第2節 防災対策の向上のための取組み
第3章 安全目標について
第4章 安全文化の醸成・定着について
第5章 原子力の安全研究の推進
第1節 研究成果の評価
第2節 現行の安全研究年次計画について
第3節 原子力施設等の安全性実証試験の実施
第6章 環境放射能調査
第1節 自然放射線に関する調査
第2節 原子力施設周辺等の放射能調査
第7章 原子力安全に関する国際協力
第1節 諸外国の状況
第2節 多国間協力等
第3節 二国間協力
第4節 海外の原子力安全の現状
資料編