第7節 安全確保総合調査
1 概 要

 原子力の一層の安全確保を図るため,安全委員会は昭和53年度より研究機関等に委託して,原子力の安全確保に関する総合的な調査研究を行い,その成果を調査審議に利用している。
 委託調査の内容は,多岐にわたっており,単に安全確保の現状調査に終わらせることなく,将来の安全確保に対する展望を描くことを目標としている。

2 主要な委託調査の現状

(1) 緊急技術助言組織緊急時対応マニュアル作成に関する調査(62年度)
〔(財)原子力安全技術センター〕
 緊急技術助言組織が緊急時に対応するための具体的必要項目を調査検討し,マニュアル作成に資することを目的として,招集方法,各種連絡事項等緊急事態発生後諸対策を講ずる際に必要な具体的事項の摘出・検討,支援コンピュータシステム等の支援機能の有効利用の検討を行った。

(2) 研究炉の安全評価に関する調査(61,62年度)
〔(財)原子力安全研究協会〕
 「研究炉の安全設計指針に関する調査」(60年度)及び「研究炉の安全評価に関する調査」(61年度)の調査結果,「発電用軽水型原子炉施設の安全評価に関する審査指針」,国際原子力機関(IAEA)における研究炉の安全基準に関する検討状況,我が国における研究炉の現状等を踏まえ,研究炉の安全審査体系の確立に資するため,板状燃料及びトリガー燃料を用い,研究炉に対する安全評価の考え方を検討するための調査を行った。

(3) 高温工学試験研究炉の安全設計審査方針等に関する調査(62年度)
〔(財)原子力安全研究協会〕
 今後建設が予定されている高温工学試験研究炉の安全規制に関して,発電用軽水炉に対する安全設計審査指針等を参考とし,その固有の特徴及び設計上の特徴を考慮して,高温工学試験研究炉の安全設計審査方針,安全評価審査方針の調査・検討並びに黒鉛構造及び高温構造の設計方針の基本的考え方の調査・検討を行った。

(4) 再処理施設の事故時安全性評価手法に関する調査(61,62年度)
〔原研〕
 再処理施設の安全審査指針を大型再処理施設に具体的に適用するために,安全設計及び安全評価における考え方,事故解析モデル等を作成するにあたって検討すべき項目等について,調査,検討を行った。

(5) 六フッ化天然ウラン輸送における安全確保に係る調査(61,62年度)
〔(財)原子力安全技術センター〕
 将来,輸送が増大すると見込まれている六フッ化天然ウランの輸送に関し,国際原子力機関(IAEA)における当該輸送物に関する検討状況をふまえ,安全輸送基準を作成するにあたって検討すべき項目等について,調査,検討を行った。

(6) 放射性同位元素等の輸送に係る安全対策及び緊急時対策に関する調査(62年度)
〔(社)日本アイソトープ協会〕
 放射性同位元素等の運搬時に緊急事態が発生した場合,法令に基づく危険時の措置が講じられることとなっているが,その対応に万全を期するためには,関係事業者が,平常時に講じておくべき措置,緊急時に講じるべき対策等について定めたマニュアルを整備しておく事が必要である。
 このため,現在の輸送実態を調査した上で,関係事業者の安全輸送マニュアルの整備に資するために,各輸送モードについてマニュアル策定要領案を作成した。

(7) コンシューマグッズの流通実態等に関する調査(62年度)
〔(財)原子力安全技術センター〕
 放射線障害防止法の規制対象となっていない徴量の放射性物質を利用した,例えば煙感知器等の商品(コンシューマグッズ)の普及が進み,今後より一層の利用の増大が予想される。
 そのため,その流通経路,使用及び廃棄の実態等を調査し,放射線安全の確保に係る検討に資するための基礎資料を得る目的で調査,検討を行った。