第3節 その他

1 軽水炉改良標準化の推進

 我が国の軽水炉利用は,昭和40年前後に主として米国からの技術導入により出発した。その初期段階において,幾つかのトラブルが発生し,稼動率が低迷した。これを背景に,昭和50年度から60年度にかけて,我が国の自主技術による軽水炉の信頼性の向上,作業員の受ける線量の低減等を目指した3次にわたる軽水炉改良標準計画が行われた(表2−31,2−32参照)。



 昭和60年度から,通商産業省は,これらの結果を踏まえ多くの技術分野における最新技術を取り入れ軽水炉の安全性の確保等について調査・検討を進めている。

2 品質保証活動

 昭和50年代前半,内外の原子力発電所において,品質保証活動の不十分さに起因する事故が発生し,原子力発電所に係る品質保証活動の重要性が強く認識されるようになった。このような事態の再発を未然に防止し,原子力発電施設の安全性の一層の確保及び信頼性の一層の向上を図る観点から,原子力発電施設の設計,製作,施工,運転及び保守の各段階にわたる品質保証の在り方を総合的に検討するため,昭和55年1月,通商産業省の諮問機関として「原子力発電所品質保証検討委員会」が設置された。
 本委員会は,原子力発電所における事故・故障の分析,原子力発電施設の設置者及びプラントメーカーにおける品質保証活動の実態並びに原子力発電施設の品質保証に係る国の規制等の現状について調査するとともに,これを踏まえて品質保証の在り方について検討を進めてきた。その結果,昭和56年9月に委員会報告として調査をとりまとめた。
 報告書は,我が国の原子力分野における品質保証の現状を諸外国の状況と比較するとともに,家庭電機機器,自動車,鉄道車両,航空機,宇宙機器の原子力以外の分野における品質保証活動と比較対照することにより,問題点を浮き彫りにしている。委員会はこれらの問題点を踏まえて検討を行った結果,品質保証向上対策の基本的広報として,次の諸点を指摘している。

@ 品質保証活動に関する統一的な指針類の策定,企業内の品質保証活動の客観的な診断等による品質保証の基盤整備の推進を図る。
A 機器・材料の標準化を推進する。
B 国及び産業界で機器の信頼性に関する情報収集システムの充実を図る。
C 国民間及び中立検査機関による総合的な品質保証に係る検査体制の整備を図る。
D 経営者,管理者等に対する品質保証に関する教育訓練を推進する。
E 設計管理から調達管理,運転・保守管理に至るまで,企業内の品質保証活動を管理要素別に充実・強化する。

 通商産業省では,以上の点を踏まえて,昭和56年度から3ヶ年計画で基盤整備の推進及び機器の標準化等に関する調査を実施し,とりまとめた。特に基盤整備に関する調査結果については,国のみならず民間においても活用が図られている。