原子力安全委員会政策評価会議(第2回)の開催について

平成14年4月19日
原子力安全委員会

 原子力安全委員会では、国民へのアカウンタビリティ(説明責任)を徹底するとともに、より良い政策を実現することを目指して、平成13年度から自らの政策について自己評価を行っております。
 その際、政策評価の中立性・客観性を担保する観点から、学識経験者の出席を求めて「原子力安全委員会政策評価会議」を下記のとおり開催し、政策評価について同会議の意見を聴くこととしました。

1.日時

 平成14年4月24日(水) 10時00分〜12時30分

2.場所 

 原子力安全委員会 第1会議室(虎ノ門三井ビル2階)

3.議題

 (1) 平成13年度 原子力安全委員会の政策評価について
 (2) その他

4.連絡先

 内閣府原子力安全委員会事務局総務課

担当 塩田、細坪、釜井
 電話 03−3581−9919
 FAX  03−3581−9835

(最寄駅)
営団地下鉄銀座線「虎ノ門駅」徒歩3分
営団地下鉄千代田線・丸の内線・日比谷線「霞ヶ関駅」徒歩5分




原子力安全委員会政策評価会議出席予定者

<政策評価会議有識者>
大橋 秀雄  日本工学会会長・工学院大学学長
大宅 映子  ジャーナリスト
グレゴリー・クラーク  多摩大学学長
小早川 光郎  東京大学教授
村上 陽一郎  国際基督教大学教授
山之内 秀一郎  宇宙開発事業団理事長
  (50音順)


<原子力安全委員会委員>
松浦 祥次郎  原子力安全委員会委員長
松原 純子  原子力安全委員会委員長代理
須田 信英  原子力安全委員会委員
飛岡 利明  原子力安全委員会委員
鈴木 篤之  原子力安全委員会委員


(参考)

第42回原子力安全委員会
資  料  第  4  号


原子力安全委員会政策評価会議の開催について(案)

平成13年6月14日
原子力安全委員会

1.  原子力委員会及び原子力安全委員会施行令第9条で準用する第5条の規定に基づき、原子力安全委員会が自ら行う政策評価について原子力安全委員会政策評価会議(以下「政策評価会議」という。)の意見を聴くこととする。
2.  政策評価会議は、原子力安全委員会が指名する10名以内の学識経験を有する者の出席を求めて開催する。








第2回


            
原子力安全委員会


           
政策評価会議速記録
















            
原子力安全委員会


(注:この速記録の発言内容については、発言者のチェックを受けたものではありません)

第2回 原子力安全委員会政策評価会議

日  時 平成14年4月24日(水)午前10時04分〜11時56分
場  所 虎の門三井ビル第1会議室
議  題(1)「平成13年度原子力安全委員会政策評価(案)について」
    (2) その他

配布資料(1)出席者名簿
    (2)平成13年度原子力安全委員会政策評価書(案)
    (3)平成13年度原子力安全白書

              出 席 者

政策評価会議有識者
 大橋 秀雄         日本工学会会長・工学院大学学長
 大宅 映子         ジャーナリスト
 グレゴリー・クラーク    多摩大学学長
 小早川 光郎        東京大学教授
 村上 陽一郎        国際基督教大学教授
 山ノ内 秀一郎       宇宙開発事業団理事長
              (御都合により欠席)

原子力安全委員会委員
 松浦 祥次郎        原子力安全委員会委員長
 松原 純子            〃    委員長代理
 須田 信英            〃    委員
 飛岡 利明            〃    〃
 鈴木 篤之            〃    〃            
事務局
 小中 元秀         原子力安全委員会事務局長
 川原田 信市           〃    事務局総務課長

午前10時04分開会


○川原田総務課長 おはようございます。それでは定刻を過ぎましたものですから、第2回の原子力安全委員会の政策評価会議を開催させていただきます。
 本日ご出席いただいております政策評価会議のメンバーにつきましてはお手元の資料の中に入ってございます。6名の先生方でございます。そのうち山之内先生につきましてはきょうは事情によりご欠席ということでありまして、グレゴリー・クラーク先生につきましては先ほどご連絡をいたしまして、ちょっと急用ができたということでありまして、来れるかどうかまだ不明だということでありますので、先に始めておいてくださいということでございました。したがいまして、始めさせていただきます。
 それでは、これからの議事につきましては松浦委員長お願いいたします。
○松浦委員長 松浦でございます。本日は先生方お忙しいところをおいでいただきまして、まことにありがとうございます。これから議事を進行させていただきますが、この政策評価に関しましては昨年おいでいただいたときにも申し上げましたが、この政策評価は原則が自己評価でありまして、この自己評価の結果というか、むしろその案につきまして先生方からいろいろご意見をいただくと。そして必要な改善を行うという、そういうことを行うわけでございます。
 安全委員会は平成10年にかなり事務局が強化されまして、そして13年から内閣府に原子力安全会事務局ができて、我々の活動が強力にサポートされるという格好になりました。昨年、政策評価のこの会議においでいただきまして、いろいろご意見をいただきましたが、そのときにお示しいたしました政策を展開する計画につきましてご意見をいただいて、直すべきところを直すということでこの13年の活動を進めたわけでございます。本日はその結果についてご説明いただきまして、今後の政策展開の参考にさせていただきたいと思います。
 14年に関しましては実は13年度の活動が今かなり軌道に乗っているところでございまして、14年に関しましてはほとんどその活動を継続するという格好になると思いますけれども、しかし14年の間に今後の活動の展開についてもいろいろまた考えるべきところは考えなければいけない。そんなふうに考えておりますので、本日はぜひいろいろとご意見をいただきたいと思います。
 最初に、平成13年度の原子力安全委員会の政策評価書の案につきまして事務局の方からご説明させていただきます。川原田課長お願いします。
○説明者(川原田総務課長) それでは、お手元の資料でございますが、議事次第がございまして、その後ろに出席メンバー、それから座席表がございます。その後ろに7枚紙の紙がございます。これはただいま委員長からご紹介ありました政策評価自己評価をやりましたときのポイントを書いたものであります。評価書そのものはその後ろにクリップで綴じてありますが、かなり分厚いものであります。それからその横に資料がたくさん積んでありますけれども、これは平成13年度に我々安全委員会が行いました仕事の成果の一部でございます。4月9日に閣議に報告されました原子力安全白書とかあるいはそれぞれの専門部会での成果、専門部会の状況の報告といったものが横に積み上げてあります。
 それでは、先ほど申しました7枚紙になっておりますポイントにつきまして簡単にご説明させていただきます。
 一番後ろのページ2枚目のところに第1回の政策評価会議を開かせていただいたときの資料がついてございます。7月7日にお示しをして先生方のコメントを踏まえて直したものでありますが、これが三角形の形になっておりますが、これが一応我々が政策評価のフレームワークとしてこれにしたがって政策評価を行ったというものであります。
 三角形のところに書いてございますように一番上がミッション、「使命」の層でありまして、法律に書かれてあることでございます。その下にそれをブレークダウンいたしまして4つの項目を設けさせていただいて、「政策の層」と書きまして、1つは「原子力安全確保に関する知的基盤の整備」、2つ目は「原子力施設の安全確保」、3つ目が「原子力災害対策」、4つ目が「原子力安全問題に関する国民の理解の促進」という4つの政策の層に区分させていただいて、それぞれの政策の層の下にいくつかの施策というものを掲げております。
 本日の評価書はこの4つの政策ごとに評価したものと、それからそれぞれの施策ごとに評価したそのものが付いてございます。そういう構造になっております。これを参照していただきながら最初の1ページに戻らせていただきます。
 1ページにございます原子力安全確保に関する知的基盤の整備というのがございます。これが三角形のところの一番端の4つ施策のうちの1つであります。まず、施策としまして6つからなっておりまして、1番目が1ページにございます「安全目標の策定」というものであります。これにつきましては実績及び評価のところに書いてございますように、安全目標の専門部会というものを設けまして、昨年は10回精力的に開催をいたしました。3月の末にこれまで10回開催しましたものの中間的な審議状況の報告というものがなされております。これは横の資料についてございますが、それが成果物と示されております。
 今後は最終的には安全規制の方に目標というものが定められましたら適切に反映するということが必要なのでございますが、一番右側の「今後の施策等に反映すべき事項及び今後の取組方針」というところに書かせていただきましたが、平成14年度以内に定性的、定量的な安全目標というものを策定するという目標を立てております。
 それを策定するにあたりまして、安全目標はそもそもどこまで安全なら安全かというかなり根源的な問題でもあるし、社会との関わり合いが深いいうこともありまして、一般市民参加型のワークショップとかあるいはパネルディスカッション、そういうものを今後開催させていただいて一般の方々とコミュニケーションをしながら策定をしていくと。場合によってはリスクコミュニケーションとかいう形のものを用いながら策定をしていきたいというふうに考えております。
 それから2番目でありますが、「原子力施設の安全確保の基本に関する検討」というものであります。これはJCOの事故の教訓でもあるのですが、施設の工学的な安全を追求するのみならず、必要だと思われるのはその人間あるいは組織に着目した取り組みというものが必要だという教訓を踏まえまして、安全文化とかあるいは最終的には安全社会システムというもののあり方というものを検討していきたいというふうに考えておりまして、安全社会システムの方につきましては、委託調査を活用しながらあり方を探っている最中であります。安全文化につきましては、現在冊子というものをつくりつつありまして、これを待ちまして現場における安全確保に向けた普及・啓蒙活動を行う。それから一般市民に対する周知を行うという形をとっていきたいというふうに考えております。
 3番目が「放射線障害防止の基本に関する検討」であります。これも専門部会を設けまして、さらに3つの分科会もその下に設けまして、専門部会9回、分科会も15回とかなり活動をしております。最終的にはこれも安全規制の適切な反映が必要なのでございますが、一番右の欄にございますすように、今後は放射線影響というものに関する知見を整理して提示をするということと、それから放射線の障害防止の基本的考え方というものを整理して、これも各種指針類に反映していきたいというふうに考えております。
 それから4番目が「安全研究の推進」でありますが、安全研究そのものは日本原子力研究所とか核燃料サイクル機構とか放射線医学総合研究所とか、そういう各機関が行っておるわけでありますが、安全委員会はどんな研究が必要かという計画を定めて、それを適切に推進していくという任にあるわけでありますが、そのための専門部会を設けまして部会を2回あるいはさらにそれぞれの分野ごとに分科会を3つ設けておりますが、その分科会を7回という形で活動をしています。それまで安全研究の成果が出てまいりましたので、その成果を周知するという意味での成果発表会、成果報告会というものも開催しています。
 それから今後でありますが、今後は先ほど申しましたように各機関で、複数の機関で研究をしておるものですから、そういう効率的な研究に対してあるいは研究所の個別の事項の調整というものも必要になってまいりますので、協力体制を整備するために連絡会等を開催いたしまして法律的な研究というものを推進していきたいと思っています。
 それから2ページ目にまいりまして5番目でありますが、「事故故障・トラブルの調査分析」というところです。これも事故故障を担当いたします専門部会というものを設けておりまして、これが4回、それからワーキンググループを9回開催しております。昨年の11月に浜岡1号炉で事故が起こったものですから、それにつきましては特別にワーキンググループというものを設置して、今その原因の究明に当たっている最中でありますが、そのためにワーキンググループというのを9回開催したということであります。
 今後、効果的な原因究明と再発防止対策というものを検討していくわけでありますが、浜岡はそういう形で特別に設けておりますが、そのほかにも各種事故故障といったものがありますが、そういう内外の事例を集めましてデータベースを作成するなりして事故の究明とか効果的な再発防止対策というものを検討していきたいというふうに考えております。
 それから最後の6番目が国際協力の推進でありますが、これは原子力安全の世界でもやはり国際的に基準を定めるとかガイドラインを定めるとかという活動が行われておりまして、それに対する貢献なりあるいはそれを取り入れるという活動は非常に重要なものであります。これにつきましては委員長、委員が自ら国際会議等に出席をいたしまして貢献をしているわけでありますが、これも引き続き行っていく必要があるということでありますが、今後は重点としましては放射線影響に関する国際的な検討への充実というものを図っていきたいという方針でございます。そのために今後は放射線影響の国際専門部会、仮称でございますが、こういった専門部会を設置をいたしまして、国際的な検討に積極的に関与をいたしまして、我が国の考え方というのを国際基準に反映させていきたいということを考えております。
 これが1番目の政策課題であります「原子力安全確保に関する知的基盤の整備」であります。
 ページを3ページにめくっていただきまして、次が「原子力施設の安全確保」というものであります。これは安全委員会の中心業務の一つでありますいわゆるダブルチェック、これは原子力施設等をつくりますときに基本設計を一行政庁がチェックをいたしまして、安全委員会が独自の立場で再審査、ダブルチェックをするという仕事がございますが、この仕事に関連する分野であります。
 まず、施策の1番が「安全基準、指針類の整備」であります。これは一行政庁が審査をいたしまして、安全委員会が独自の立場で再審査、ダブルチェックをやるわけですが、そのダブルチェックをする際のものさしに当たるもの、これが安全基準指針でありまして、これをその都度整備をしていくということでありまして、専門部会を10回、分科会を57回とかなりやっておるのですが、これは指針、基準類というのはたくさんございまして、これを時代のニーズに合うように常に見直しをするという必要がございます。これを日々、専門部会等を活用しながらやっているところでありまして、新たな技術進歩などに伴って指針を体系的に見直しを行うとか、あるいは新しい施設が出てまいります。例えばプルサーマルをする際に燃料になります混合酸化物のボックス加工施設というものが出てまいりまして、これにつきましても新たな施設ということで指針を整備すると。そういう仕事がございます。そういう新たなものに対する指針の策定を行うといったことを行っているわけであります。
 2番目が実際に規制法に基づきます「ダブルチェック」でありますが、これも形式的には経済産業省あるいは文部科学省が行いました審査に対しまして原子力安全委員会に意見を求めてまいるわけであります。その求め方が諮問をしてという形で求められまして、安全委員会としては答申という形で返すという形になりますが、諮問9件、答申が8件出ているということであります。
 今後はやはりダブルチェックにつきましても具体的に個々に審査をしていくわけでありますが、かなり時間がかかるものであります。これにつきまして効果的に審議ができるように努力をしていきたいという形であります。
 3番目が「規制調査の実施」とあります。これも繰り返しになって恐縮ですが、安全委員会のメインの業務が基本的な設計に対して審査をするという業務でありますが、JCO事故以降の教訓といたしまして後続の規制、つまり基本設計以降の後続の規制についても安全委員会は適宜よく見るようにということで始められた新しい仕事でありまして、規制調査と称しております。後続規制でありますからかなりたくさんの規制があるのですが、去年は 831件報告をされまして、そのうち安全委員会が詳細に見る必要があると考えまして、詳細な調査をしたのが10件でございます。
 なにしろこの仕事はJCO事故を契機として始めた仕事でございますから、JCO事故を契機としてその規制は改正されまして新たに規制項目として追加をされました四半期に一度やっております保安検査、こういう保安検査の結果というものを中心にこれまで調査をしてきたわけですが、今後はもう少し視点を広げまして後続規制全体、例えば今後は使用前の検査でありますとか、あるいは年1回やります定期的検査とか、そういうものも視野に入れた規制調査をやっていきたいと。かつ、その手法についても充実をしていきたいということであります。
 4番目が「原子力安全に関する現場との意見交換」というものであります。これは委員長あるいは委員ができるだけ現場に赴きまして、安全文化等の講演を行うとともに原子力安全の現場の方々と意見交換をするという取り組みでありますが、去年も全国の原子力発電所等を中心にしまして10回実施しております。これも今後とも充実をさせていきたいと思います。
 きょうはご欠席になっておりますグレゴリー・クラーク先生からのご提案なども含めまして、一番右側に書かせていただいています「原子炉等規制法」。これはJCO事故以降、原子炉と規制の改正が行われまして、その改正の項目の中に従業員の申告精度というのが設けられております。これはホイッスルブロアーとよくいわれるものでありますが、これがすでに制度として設けられておりまして、これもあまり知られていないということもありまして、ぜひこういう現場で意見交換をする際にもこういうものがあるんだということの周知を図っていくという形にさせていただきたいと思っております。これは後ほどご説明いたします国民の理解の促進というものにも寄与するのではないかというふうに考えております。
 次の3番目でありますが、「原子力災害対策」の項目であります。これも施策は3つございまして、1番目が「原子力災害対策特別措置法への対応」、これも先ほどから何回もお示しして恐縮ですが、JCO事故が起こったあとに新しい立法といたしまして「原子力災害対策特別措置法」というものがつくられまして、これに対する対応。原子力防災というものを実行あらしめるための措置として今後行っていく必要があるものとして訓練をするということであります。
 原子力総合防災訓練というのは年に1回、総理も出席されまして国を挙げて行う訓練でありますが、これに安全委員会としても積極的に参加をしておりますし、それから各都道府県がそれぞれ防災訓練を実施しておりますが、これにも昨年は5回安全委員会として参加しておりますし、より一層、その防災訓練が効率的に行われるように努力をしていきたいと考えております。
 安全委員会自身も訓練を行っておりまして、その訓練も第三者によって評価をしてもらっておりまして、その評価を踏まえた改善というものをしていきたいと考えております。
 2番目が「防災ガイドラインの見直し」というものがございます。これは燃触防災、やはり特殊なものでありますから安全委員会として科学技術的な項目につきましてガイドラインというものを設けております。これの審議を専門部会を設けておりまして5回、分科会も6回開催しまして新たな知見を踏まえた見直しを行っております。
 今後は右側に書いてございますように、被ばく医療分科会において調査審議を行っておりますが、その結論を踏まえた見直し、例えば「安定ヨウ素剤の予防服用のあり方」と書いてございますが、これは最終段階にきておりますが、実際大きな事故が起こったときの放射線ヨウ素が出たときの対策でありますが、安定ヨウ素剤の予防服用のあり方について検討して、防災体制への反映を行うということをめざしております。
 それから3番目が「緊急被ばく医療体制の整備」であります。これも専門部会5回、分科会6回という形で開催しております。これにつきましても実行性のある医療体制ということで特に今後は3次被ばく医療機関、これは放射線を専門に扱います医療機関でありますが、これの整備を促進するということを考えております。もちろん、広域圏を中心にしたネットワークを充実を図っていくということでございます。
 4番目が「原子力安全問題に関する国民の理解の促進」、ページは5ページであります。施策として4つございまして、1つは「原子力安全白書の公表」、これは毎年1回必ず出しておりまして、ことしは平成13年度版が4月9日の閣議に報告をされたのですが、毎年特集を組んでおりまして、ことし平成13年度版は「プルトニウムに関する安全確保」というものを特集していただいて分析をしております。
 これは毎年もっとも国民の間で議論があると思われるようなものを中心に取り上げておりまして、平成13年度はプルサーマルというものがかなり議論になりまして、住民投票まで行うという事態になったわけであります。したがいまして、安全委員会としてはこの安全性に対する懸念というものを踏まえて、プルトニウムというのはそもそもどういうもので、その利用というのは安全なのかどうかというのを科学技術的に分析をするということで取り上げたものであります。
 2番目が「地方原子力安全委員会の開催」ということでありまして、これまで5回開催してきておりまして、つい最近は札幌、福岡、大阪と大都市で開催していたのですが、今後は大都市だけではなくて立地県、原子力発電所等の立地県において住民の理解促進をさせていただく必要があるということで、立地県の開催ということをめざしていきたいと思っています。ちなみに来月の11日の土曜日に島根県、これは立地県でございますが、島根県で開催することが決まっております。今後も立地県での開催をめざしていきたいと思っております。
 3番目が「原子力安全意見・質問箱の活用」ということでありまして、これも件数は60件ということでありますが、まいりました意見あるいは質問につきましては3カ月に一度取りまとめまして、すべてに対してお答えをするという形にしております。
 4番目が「情報公開の実施」でありますが、情報公開を施行以来、情報公開請求26件という形になっております。また、この会議室の横に原子力公開資料センターというのが設けられておりまして、昨年の4月からことしの3月22日までの間に大体803人ぐらいの人がお見えになっております。それからホームページのアクセスにつきましてはやはり去年で9万6,761回という形になっています。公開につきましては、これは原子力安全委員会の本会議あるいは専門部会、分科会すべて公開にしておりまして、かなり公開度は高いというふうに我々考えておりますが、ちなみにこの政策会議も公開でございます。そういう形で今後とも透明性の向上には努めていきたいと考えております。
 大体自己評価をいたしましたポイントにつきましてご説明させていただきました。必要でありましたら、またこの分厚い方の資料に関しまして補足的に説明を今後させていただきたいと思います。
 以上でございます。
○松浦委員長 それでは、ただいま事務局の方からご説明いたしました内容、すなわち平成13年の実績及び評価、それから今後の政策等に反映すべき事項あるいは今後の取組方針、そういうことに関しましてご出席の先生方、忌憚のないご意見をいただければと思います。どなたからでも結構でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 なお、ご発言の場合には恐れ入りますが、あとで議事録等を起こすためにこのマイクロフォンをお使いいただきますようにお願いいたします。
○村上 村上でございます。少し大きなというか問題なので最初に発言させていただきたいのですが、私は前回欠席させていただいたのですが、そのときに申し上げたかどうかなのですが、6ページの原子力の使命のところです。「原子力の研究、開発及び利用に関する国の施策の計画的な遂行にあたり、民主的な運営の下、原子力安全の要として万全の安全の確保を実現する」という文言になっております。この文言がどうこうというのではないのですが、この安全委員会全体の使命というのは原子力の安全なのかという問いがあり得るように思うのです。
 これは前々からちょっと気になっていることなのですが、むしろ「国民と環境の安全の確保のために」という視点で原子力委員会ははたらいているんだというところから出発しないと、大変失礼な言い方なんですけれども、原子力安全委員会というのも、結局は行政と事業者をスムーズにやっていくためにある存在ではないかというその感じが常に抜けきれない、いわば一般の市民の立場からするとそこのところがやっぱり姿勢として非常に明確に打ち出しておくべきではないか。そうすると多少そこで使われている文言なんかも少しずつ変わっていくのではないかなというふうに思うんですね。
 ですから、そのあたりが一つのキーとしてちょっとお考えいただければ幸いだと思います。細かいことまたちょっとあるのですが、それは後ほどにさせていただきたいと思います。
○松浦委員長 非常に根本的なご指摘でございまして、ここに「使命」と書いてあるこの表現は先ほど事務局が説明しましたように、原子力安全委員会設置法の書き方といいますか、書かれ方から引用した格好になっております。したがいまして、安全委員会の設置法の中では原子力の研究開発、利用を進めるにあたりその政策の展開の中で安全確保の政策に関して責任を持つという、こういう格好になっておりますのでこういう表現ですが、まさに今、先生ご指摘のように我々の立場といいますか我々の考え方は、まさに今、先生ご指摘のように国民の安全を守る、環境を保護する、そういう立場でやっているというそういう意識は持っているつもりでございますが。
 しかしながら、表現上そういうことがはっきりしていないというのはやっぱりそれは社会に対しての説明責任という点では不十分ではないかという点では我々は反省することではないかと思いますが、この点について委員のほかの先生方も、もしご意見ございましたらどうぞ。
○松原委員 ただいま村上先生にご指摘いただきましたように、これからの安全問題というのは原子力という一つの分野だけでなく、環境それから人類の生存を含めた健康リスク全体を脅かすものに対する安全を守るという総合的な姿勢が重要な時代になっているというふうに認識しておりますが、原子力の分野でしますとやはり少しずつ時代が変わってまいりまして、原子力の開発推進におきましても環境とか廃棄物とかそれから経済的なコストの問題、そういった総合的な勘案なしには原子力自体が進めることができないという認識は、原子力プロパーの人間の中にもある時代に、やっとここ二、三年変わってきたように思います。
 そういう意味では、設置法というのは従来の歴史的な経緯のままにおきますといろいろ、今委員長申しましたように表現については昔ながらの堅い表現ということが継続してはおりますが、時代の動きとともに少しずつ分野を広げていると思います。
 ちなみに安全目標に関する議論と申しますのは、当委員会としては非常にまだ議題的にも資料が成熟していない中でこういった目標を国民の皆さまに提示するということは、非常にむずかしいいろんな議論が必要なのでございますが、とりあえず、取り込む姿勢として取りかかりはじめたというところでございまして、先生方のいろいろなご意見を頂戴したいというふうに思っております。
○松浦委員長 今の点については特にほかはよろしゅうございますでしょうか。
 それでは、他の問題に移っていただければと思いますが、どうぞ、大橋先生お願いします。
○大橋 大橋でございます。最初の会議のときに、この政策評価会議は何をするのかはっきりわからなくて、いろいろな発言がありました。その中で私は、政策そのものは、すでにたくさんの議論を重ねて決まっていることであるので、その目標に対してこの安全委員会がどのくらい達成したかという、達成度評価の方に重点があるのではないかと申し上げました。
 そして1年過ぎてこの評価の段階になったわけですが、書類として見事にできあがっておりまして、「理念の層」、「政策の層」、それから「施策の層」ということで最初にご説明いただいた三角形そのままきちんと全部書類がそろっています。で、最後になってみて確かにすべてやっていらっしゃることは分かりますが、何かどっかが違うなという感じがする原因を私はこう分析しています。
 というのは、例えば「施策の層」は施策目標まで掲げてきちんと何をやるかということを宣言しておられるのですけれども、この「施策目標」というのは、これは施策項目であって目標ではありません。何をやるかという項目を示しています。例えば一番下のdの「原子力安全問題に関する国民の理解の促進」には4つの目標が設定されていますが、これは4つの項目であってその項目はすべてやっていらっしゃることは分かります。そして成果として例えば会議は何カ所で開いたとか全部記述されているわけですけれども、それは結果報告なんですね。
 最初考えていたのは、「目標」というのはやっぱりあるターゲットであって、それをどのくらいクリアしたか。それが評価の要になると思っていたのですけれども、そういう意味でいうと実は最初に何も目標を掲げていなかったんだなあということが一番最後になって改めてわかりました。我々、評価といっても何を評価していいのか本当にむずかしいなということを再確認したというのが最初の印象であります。
 それからついでながら申し上げますと、政策評価会議の性格がまだよくわからない。きょういただいた名簿によると我々5人は政策評価会議の有識者となっています。例えば大学なんかで外部評価をやるときは、外部評価委員会というのがあって委員が任命されて、委員長がいて委員の意見をとりまとめて外部評価委員会としての意見を発表することをします。しかし、政策評価会議はそういうところではなくて、いわば常設の5人の意見を述べる人がいて、これは意見を述べるだけであって、5人のメンバーがまとまってある意志を表明するというような役割は担っていないことを今確認したいと思います。我々は5人の常設の公聴人のような形でここで意見を言う、それが我々に期待されている役割かなというふうに、私は今思っています。その辺についても最初のことであり明確でないところがたくさんありますので、明確にさせていただきたいと思っております。
○松浦委員長 実はこの政策評価というのを行政の中でやるというのが決まってスタートしたのが平成13年度からでございまして、我々も実は他の省庁で具体的にどういうやり方をやっているかをほとんど知らないといいますか、恐らく他の省庁でまだちゃんとやっておられるところもあまり数ないのではないかと思います。
 我々としてそれではどうするかというのを、昨年始めるときからだいぶいろいろ考えたわけでありますが、原則としてこれは自己評価をやりなさいということになっておりまして、その自己評価に対して外部の方々から意見を求めなさいと、こういう格好になっているものですから政策評価会議といいましても、先ほど先生からご指摘ありましたように他のところでよくある外部評価会議のための委員会なり何なりが構成されまして、そこへある機関が説明して、そしてその委員会の中でいろいろ議論をされて評価書というのをまとめる。そういう形のものではありませんので、したがいまして、ここは会議という名を付けていますが、実はその会議の実態というのは何かといいますと、ここで集まっていろいろご意見をいただくというそれがある意味で会議というものの実態ではないか。
 で、先生方にお願いしていますのは我々の自己評価に関してどういう点が足りないとか、どういう点が間違っているとか、どういう点はもっと改善をするとか、また逆にどういう点はこのままもう少し推し進めろとか、そういうご意見をいただければ我々のこの政策評価書というのをまとめるベースなのかなと。こんなふうに私は思っておりますが、この点は事務局の方で他の省庁等の例をもしご紹介していただけるならお願いします。
○川原田総務課長 今、委員長申し上げたとおりなのですが、つまりやった成果そのものをすべて委ねて、それを達成しているかどうかというのを委員会でやっていただくというスタイルはほとんどとっていないと思います。なぜならば、先ほど申し上げましたような自己評価をしなさいという体系になっておりまして、自己評価はただ単に自己評価しただけだと自分自身だけの評価になってしまいますので、それをもっと高い立場あるいは一般的ないろんな分野の先生方から意見をもらって、その自己評価そのものに対して適正なのかどうかという意見をちゃんともらいなさいと。そういう体系になっておりますものですから、今委員長申し上げたような形でそれぞれの先生方のご意見をいただいて、ご忠告なりいただいて自分の自己評価をどんどん修正していくと。そういう立場でございます。
 ほかの省庁もつぶさに今手元に資料ございませんが、大体そういう形になろうかと思っています。
○松浦委員長 それから最初にご指摘ありましたターゲットがもともとセットしていなかったのではないかと。これはまさにそういうご指摘をいただきますと、「そのとおり」としか言いようがないわけでありますが。
 正直申し上げましてこういう政策評価をやる場合に、我々の政策の対してターゲットというのをどうセットするかというのは、これは今の段階では少なくともまだ我々として方向はあるいは項目はわりに定められるのですが、それに対するターゲットというのはどういうセットの仕方が適正かという点では我々自身もあまりはっきりと認識もレベルも上がってきていないというのが正直なところであります。この点については私だけでなくほかの委員の方もそれぞれお考えあると思いますが、もしご意見ありましたらお願いいたします。
○小早川 関連してですけれども、初めてのことですからいろいろ試行錯誤で最初はよくわからないというところは当然あると思うんですけれどもね。今さっき大橋さんご指摘になったのは私もそのとおりだと思いまして、政策目標とあるけれどもこれは事項というか政策そのものが書いてあるだけであると。
 ただ、委員会の方の肩をもつのは私の役割ではないかもしれませんけれども、強いて言えば政策目標のところに抽象的ではあるけれども定性的な目標が掲げられている。これが本当でしたらもう少しブレークダウンしてできれば定量的な目標までセットして、それをどれだけ達成できたかということを言えばいいのでしょうけれども。ただ、これは前回もいろいろ議論があったと思いますけれども、やはりいろんな行政機関の性質によって違うわけで、この安全委員会の場合は安全規制を粛々と厳格に行っていくというところに本領があるわけなので、事業量をどれだけ掲げて、どういうものを新しくつくっていくというのとは性格が違うから、そこのあまり具体的な目標を掲げられないのもやむを得ないかなと。ここまでは委員会の事情を理解するというそういう立場です。
 ただ、申し上げたいのは、個別の論点がこれからいろいろ出てくると思いますけれども、全体ざっと拝見したごく大まかな印象ですけれども、やはりこの政策として掲げたものをきちんとやりましたという、そういう自己確認がずらっと並んでいるのですが、少なくとも政策目標として掲げられているところにもう一度立ち返ってその政策をきちんと実施した結果、政策目標に対してどれだけの寄与ができたかと。あるいはむしろもっと適切に言えばどれだけの寄与をするつもりだったけれども、やはり不十分な点があるということをはっきり目に見える形で書いていただきたいところなんですが、そこがどうもあまりはっきり見えてこない。
 やはり評価というのは自画自賛することではないわけなので、むしろ自分の失敗を確認してそれをどうやって変えるか。あるいはこういう政策を立ててやってみたけれども目標達成にはあまり効果がないということであれば、では、その政策はもうやめましょうということになるはずで、全体の中で何かそういうものがいくつかあってしかるべきだったのではないかという気はするわけですね。そこが非常に全部きちんと精査した大部の書類をおつくりいただいたけれども、全体拝見していて、もうちょっと自己評価であっても辛口の評価があっていいのではなかったかなというのが全般的な印象です。
○松浦委員長 まさにご指摘のとおりでありまして、我々今後そのご指摘の点についてはさらに見直してみるということになると思います。
 どうぞお願いします大宅先生。
○大宅 皆さんがおっしゃっていることと重なるのですけれども、何かそのこういうのがたくさんあればあるほど、何か周辺やりましたと。木を見て森を見ないというか、何か目標がこういうことを全部やることが目標になってしまっていて、本当の安全度が増したのかどうかということが見えてこない。
 例えばだからバケツで何とかなんてことは絶対あり得ないんだとか、それに似たことが起きそうになったときに、こういうことでこうやってこれは阻止できたとかね。それからもんじゅのときのああいうふうに塩化ナトリウムが出るなんてことは、これだけやっていれば大丈夫なんですとかいうような、いつも何かそっちへフィードバックするようなことがあればいいのですけれども、何かこれを評価されるための対策を講じることに何かエネルギーがいっぱいいってしまって、全部それは見事にやったのだけれども、別に何も変わりませんでしたというようなのが困る。
 私は財務省の評価の委員もやっているのですけれども、まあ、やたらめったら細かくいろいろやっているんですよ。それで本当に四国に3つも橋かけないというふになるのかえっていつも言うのですけれども、手間ひまばっかりかかって、何か実が上がらないというのがすごく税金の無駄みたいな気がしてしようがないんですね。もっと大くりにどかっとこう何かならないのかなというのが一つです。
 で、私が一番なれるのは「国民の理解の促進」というところ、私が一番わかりやすいところはそこなんですけれども、白書は出しました。省令、何か会を開きました。意見箱をやりました。冊子をつくっていますと、ほとんど自己満足に見えることをやりましたと言って、「それで本当に国民の理解が促進したんですか」というところが知りたいんですよね。
 私は大体行政がつくる冊子というのはもうほとんど表紙見ただけで拒否反応、拒絶反応みたいなのが多いんですよね。読んでくださいというメッセージがほとんどない。何しろ予算でつくらなければいけなくてつくったのよと。税庁の今やっていますけれども、大体何か桜の花でじいさんとばあさんと孫まで一緒にそろって、何か楽しそうな顔みたいなやつでね。で、みんな小学校に一人行かせていればいくらかかりますみたいなことが書いてあって、わかったよ、わかったよみたいな感じになってしまうことが多くて。で、書いてあることは正しいかもしれないけれども、読ませようとかわかってくださいというインセンティブがほとんど感じられないというのは、それつくってもほとんど無駄という気がしてしようがないんですね。
 だから例えば私はJCOみたいなことが起きたときに、本当にわかっている人が何人かのグループで全国キャラバンで回るみたいな形というのが、もし私が民間の企業で何かああいうことを起こしちゃったとしたら、そういうことを多分やるだろうなと。で、今これをいろんな会合みたいなのをやっても大体興味のある人、知っている人というかその近い人しか来ないんですよね。反対だとか無関心の人というのを呼び込むことはほとんど不可能なので、そういう意味で私は自己満足だと言っているわけですけれども。
 だからもっと何百人だとかというのではないとすると、やっぱりメディアの対策なんですよね。メディアの科学部という人も大して知識はなくて、逆に不安をつのらせてしまうようなことを書きがちなので、私はもっと基本的にメディアの対策というのをやらなければいけないし、もっとさかのぼるとやっぱり子どもたちの教科書にどのくらい書き込めるかとかというようなことなんだろうと。
 で、国民の理解が増したかどうかということに関して言えば、確か世界中の大人の科学知識の評価みたいなのをやったときにビリから何番目かでしたよね。毎年ちゃんと学力テストのように国民に世論調査みたいなのをやって、確かに原子力に関する理解度は増しましたみたいなものが出てきたらいいなと思います。
○松浦委員長 今のご意見もまさにそのとおりでございますとしか言いようがないのですが、ただ、JCOの事故後、現場の様子がどうかということに関しましては実は私自身が、先ほど事務局が言いましたように、今時間のある限り順番に現場を回っているのですが、現場の様子を見ますと、現場は少なくとも何年か以前あるいは10年以前に私がまったく別件で現場を訪れたときの雰囲気から考えますと、ずいぶんと安全確保に対する認識は高まっていますし、また働いている人たちの緊張、それから組織のトップと現場の人との意志疎通に対してそれに対する努力というのは、これは以前に比べますとずいぶん進んだような気がいたします。今後ともそれは気をつけてずっと見ていきたいと思うのですが。
 しかし、その点で先ほど事務局からご紹介ありましたが、きょうはクラーク先生はおいでにならないかもわからないと聞いたものですから、先ほどクラーク先生からのご意見を事務局がご紹介しましたが、要するにホィッスルブロアーに関してもう少し現場の人にそういうことが存在して、そういうのをちゃんとやるのが安全確保上、社会から信頼される方法といいますか。道筋として非常に重要だという、またそういうことを安全委員会からもっと現場に申し上げてはどうかというそういうことがありましたが、その点に関しましては今まで意識的にそういうことをやっておりませんので、それは今後考えなければいけないかなと思いますけれども。
 それから一般の方々の理解がどうこうということについては、実は安全委員会かなり努力しているつもりですけれども、とてもとても力不足といいますか、やり方も下手くそなんだろうと思いますが、正直言いましてどういうやり方が効果的かというのが我々あまりよくわかっていないと言った方が正直かもわかりません。その点で今大宅先生からメディアをもっと活用しろと言われましたので、むしろこれから、今まで実はメディアの方とそういう点で接触を深めたということがないと言えばありませんので、今後その点はもう少し考えないといけないと思いますが。
 実はこの間、安全白書を出しましたときに新聞の論説の方にお集まりいただいて、これは毎年やっているのですが、論説の方々と意見交換をさせていただくのですが、そのときに論説の方からこういう意見交換を年に一度というのではなくてもっと何度もやったらどうかというご指摘をいただきましたので、それはぜひ今後やりたいと思いまして、具体的に準備を考えるように事務局には言っているところであります。
 どうぞ、クラーク先生。
○G・クラーク ごめんなさい、ちょっと遅れてまいりましたけれども、前もってブレーキングいただいて資料も読ませていただきました。私もまったく大宅さんと同じ意見なんです。ただ、自己満足という言葉よりも封建的なんですね。これは前回会議の議論の繰り返しをするつもりはないですけれども、しかし特に国民への理解という言葉がちょっとできれば避けてやめてほしいんです。国民一つではないですし、国民一つであればこれ非常に封建的、温情主義的な考え方なんです。必ず反対意見が出てくるのです。そして大宅さんおっしゃったようにメディアに対して宣伝、キャンペーンすれば、もうすでにやっていると思っていたんですけれども、委員会だけだったらちょっと物足りない。しかしメディアの中にもどんなにいい宣伝をされても反対するだろう。
 教科書の話はアイデアはすごくよかったと思います。しかし、これちょっと遅いんです。時間があまりないから。欧米の例から見れば反対運動は必ず増してくるのです。強くなるのです、これから。市民の運動の台頭によって。そうすると国民の理解を求めるのはちょっと、言葉自体はちょっと意味がなくなるのではないかと思います。国民との対話、ダイアローグという表現はもうちょっと大人っぽいではないかと思います。いずれにしても安全対策も後半でちょっと具体的な話に入りたいのですけれども、その面でも日本的な、日本文化的な問題もあるのではないかと思います。いずれにしても、今の段階ではちょっとあいかわらず国民の理解という言葉、表現はあまり好きではないです。
○松浦委員長 実はこれに関しましては昨年の一番最初の案は国民の信頼の獲得とか何かそういう表現だったです。クラーク先生からかなり厳しくご指摘いただきまして、やはり信頼を得るというのは厚かまし過ぎるというので、「理解を得る」というふうに変えたのですが、理解でもまだ厚かましいと「対話」にとどめろという(笑)、そういうことでありますので、少しこれは我々も内部的に議論してみたいと思います。
○松原委員 今のご意見に関して当委員会の内情を申し上げますと、一例を挙げますと、例えば放射線の障害防止に係わるいろいろな議論、討議とか安全目標に係わる討議とか、そういうことを専門の先生にお集まりいただいて議論しているわけなんですが、一つひとつの項目に対しては専門家として非常に熱心なご意見を頂戴し、議論をしているわけでございます。
 しかし、全体として成果物をまとめる段階になりますと、まさに大宅先生おっしゃったように「木を見て森を見ず」といいますか、小さな学術用語が一人歩きしていて、その学術用語の持っている本当の真実というか大事な意味というものが読者に伝わってくるような表現がなくて、ただ、用語が一人歩きしているようなそういう報告書ができてきやすいのです。ですからそういうことを少しでもなくして、少しでも国民とダイアローグの基盤になるような報告書ができたらというふうに、私もおっしゃるとおりだと思うのです。
 しかし、それは本当にむずかしいことで一人ひとりの委員の先生もいろんな問題について非常に深いご見識のもとにご発言いただいて、委員会の中でも十分なコミュニケーションとか対話をしたうえで最終的に報告書をつくらなければならないわけですが、現実はこの安全委員会の中で毎年数十編のこういうのが出てくるわけですよね。10個ぐらいかもしれませんが、その一つひとつの言葉を議論するのにかなりの時間もかかりますし、またこの5人の安全委員が全部をなめるように見るということは非常に時間もかかりますので、努力はしているのですけれども現実はやはり途中だと思うのです。ですから、そういう少しでもいい方向にいくようなサゼスチョンとかご批判とかいただければ、ぜひそれを生かしていくようにほかの委員の方々にも専門部会での議論でもそういうご意見を生かしたいというふうに思うのでございます。
○松浦委員長 どうぞ、村上先生お願いします。
○村上 多少各論に入りますが、全体の政策目標として一つ私が気になっていて、もしかするとこの全体の中で欠けているのではないかと思われる点を1点だけ申し上げます。
 それは将来、例えば「安全確保に関する知的基盤の整備」という1ページのところに係わると思いますが、将来の人材の確保ということもかなり大切な政策目標なのではないかというふうに、実は私は憂慮しております。ご承知のとおり、こんなことはもう釈迦に説法でございますが、例えば東京大学では原子力を掲げた学科はなくなりましたし、あちこちあまり評判がよくない。
 それから例えば、これは特に名前は申しませんが、日本を代表する工学者のお一人がある委員会でこういう発言をなさったんですね。例えば本四架橋の技術、それから原子力の技術などに関しては、もはや新しい開拓はない。だから今後はそれをいわば終息させる方向で別の分野にお金をたくさん投じるべきだということをおっしゃった。
 それから、まだ科学技術庁の時代ですが、科学技術庁があれは98年だったかな。全国の学識経験者の方にアンケートを出したときに、確か34部門ぐらいのヨウ素技術の中で今後も非常に政策的に重要だと思われるところというもののランキングをつけたら原子力は最後だったのです。34位だった。だからそういう意味で一般の人たちだけではなくて、識者といわれている人たちの中にももう原子力は過去の技術だという感覚が広がっているとすれば、これは由々しき問題ではないかというふうに私は思うのです。
 仮に今、仮ですよ。日本政府が原子力から撤退するという政策転換を仮にやったとしても、そのあと何十年かにわたってそれをきちんと撤退を保障し、安全に撤退していくためにどれだけの人材とどれだけのノウハウ、どれだけの技術が必要かということに関して、やはり非常に大事に考えなければいけないのではないかと思う。その意味で政策課題の中に、この分野の研究者とそれから技術者をできるだけ確保して優遇していくというような措置を考えるべきではないかというのが、今後の人材の教育というかそういう点での確保というか、そういう問題意識がもう一つこの政策課題の中にあっていいのではないかということを申し上げたいと思います。
 以上です。
○松浦委員長 ありがとうございます。我々も非常に気になっているところでありまして、この点につきまして鈴木先生あるいは須田先生、ご意見ございましたら。
○鈴木委員 ありがとうございます。村上先生おっしゃるとおり、我々もその問題意識は十分持っているつもりなんですが、したがって、こういう評価の体系の中でも何らかの意味でご指摘いただいたこの観点を今後ぜひ入れさせていただけたらと思っています。
 そのポイントといいますか私自身が大学でそういう分野に関連してきたものですから感じますのは、先生のおっしゃっていることは2つの側面があるのではないかと思うのですけれども。
 1つは、つまり若い優秀な人材を確保するということをどういうふうに、例えば工学部なんかとらえるかといいますと、やはりその分野が将来どういうふうに社会との関係で、例えば非常に発展する分野なのかとかあるいは確かに新しい芽であって、これまであまりチャレンジングをしたことが今まではなかったけれども、これからチャレンジすべき分野なのかというような、これは常にそういう分野というのはあった方がいいわけですし、そういう意味で原子力がその辺でかなり学生を引きつけにくくなっているというのは、これは別に原子力のやり方がおかしいとかそういうことではなくて、常にどういう分野でもそういうことはあっていいわけですから、自然にそういうことになるのではないかと思います。
 そういう面が1つあるのと、それから先生が言われているのは、そういうことを言っても、なおやはり大事なことは大事なことであって、技術というのをきちんと身につけた人がいない限り、その基盤的な部分が危うくなるのではないかと。ここもあると思うのですけれども、私どもはそこは、実は今の大学でもセキュリティといっていまして、セキュリティの工学というのを標榜しているのです。学生も例えば環境について非常に興味を持っている学生というのは、むしろ増えているわけですから、そういう見方から今先生がおっしゃったような意味での人材の確保。これを今後、むしろもっと教官の側から学生に対してメッセージを出していくべきではないか。こういうことを私なんか特にそう言って、工学部の中に新しいラボをつくったばかりなのですけれども。
 これは別に原子力に特化しないでバイオの分野、情報の分野、いろんな先生方に入っていただいて、今活動を始めているところです。ですから、原子力だけで今先生がおっしゃったような人材の確保の問題を考えるのがいいのか。一つ、そこが非常にむずかしいところだと思いますけれども、この原子力安全委員会ではあくまでも原子力がメインですから、そういう意味ではやはり何かの意味でご指摘の点について、今後はもっとはっきりした形で考えられるようにしていけたらと思います。ありがとうございました。
○松浦委員長 どうぞ、大橋先生お願いします。
○大橋 いろいろな政策が載っかっている中で一番最初にある「知的基盤の整備」の中のトップにある「安全目標の策定」というのがありますが、これに私は大変期待しております。これについて、ちょっと全般的な話をさせて頂きます。原子力に対する一般国民の許容度を考えてみると、例えば「原子力発電をエネルギー源の一つとして認める」というのを許容度1だとすると、「認めない」というのが許容度ゼロになります。国民全体としての許容度あるところに指標がいくと思いますが、その指標はこの1年間で、私が見る限りは完全に後退したと思います。1の方に近づかないで、むしろゼロの方に戻ってきたのではないかと。それはなぜかというと、浜岡の連続の事故の影響も大きかったし、それからプルトニウムに関しては明確に後退しているし、結果として見ると指標は後退したと感じています。
 ただ、その結果責任を原子力の行政にかかわる原子力安全保安院という実施機関と原子力安全委員会という規制機関がどのように分け合うかということになってくると、これまた極めて難しい問題になります。原子力安全委員会はそれに関係ないんだという議論もありますが、指標が後退してきた理由をつぶさに調べてみると、その中に原子力安全委員会が何か果たしていればそうならなかったというファクターが出てくるかもしれない。ですから、下がってきた指標をどこに振り分けるかということ自身も結構むずかしいことになります。
 ですから、私はこの政策評価会議のメンバーを引き受けたというのは、今までやってきたいろんな評価の中で一番複雑怪奇でよくわからないものだと思っています。
 それとも関連して、今まで申し上げた指標というのはいわば国民の acceptance の度合いで、これは極めて測りにくいうえに、マスコミにも影響されてちょっとした事故にも影響されてふらふら動くと思います。しかし基幹にある安全目標というのはある程度定量的に決められていて、その目標が国民の acceptable な最低限のレベルを常に超しているんだということを明示しておくということが、やはり結果的には国民の原子力発電に対する acceptance を増やしていく基盤になると思います。
 ですから、この原子力安全目標の策定というのはできれば、これは完全なものを出そうと思ったら恐らく永久に出てこないと思うのですけれども、歩きながら変えるという意味でもいいと思うのですけれども、ある程度時間を区切って目標を出すということを努力してやっていただくのがいいのではないかというふうに思います。
○松浦委員長 ありがとうございます。まさにこの安全目標の設定あるいは策定というのは今原子力安全委員会の大きな仕事の1つでありまして、専門部会で近藤シュンスケ先生に座長をお願いして進めているわけです。
 この1年の議論の中でいろんな分野の委員の方からいろんなご意見をうかがいました。で、ほとんど成熟しきっていると思われる交通体系であっても、安全目標を定量的にはまだセットできていないというそういうことでありますので、これがいかにむずかしいかということは身にしみているわけであります。
 それからまた、アメリカも実は安全目標というのをTMI事故のあとで比較的早い時期に議論を進めて案のようなものを出したのですが、これがまだ定量的に示していますが、実はこれがちゃんと規制の上のセットするという段階には15年立ってもまだいっていないということで、定量的なところまでいくというのは我々も非常に大変だなと思うのですが、少なくとも概念をはっきりさせて定性的なものをまずちゃんとセットしなければならないと思いますが。
 ここで実は一番大きな議論になりますが、それではその目標というのをいったいだれがセット、設定する権限があるのかというところが非常にむずかしいところで、安全委員会がそういうものを策定してみてもそれは国民にとって「何のことだ」という、そういう意見が委員会の中にもないわけではありませんので、その点今後も非常にむずかしい仕事ではありますけれども、しかし原子力というようなものを進めていこうと思いますと、どうしてもリスクとベネフィットを考えながら acceptable なレベルをセットして、かつそのセットされたレベルに対して現状がどうかということをいつも確認していくという、それが不可欠かと思いますので、今あるいはこれからもかなり精力を注いでいきたいと思っております。
 この点についても委員の先生方からご意見ございましたら。
○鈴木委員 私ちょっと、むしろほかの委員の先生方がご専門なのですが、今、大橋先生のお話で感じますのは、こういう議論ができるというのはある意味で原子力安全の特徴といいますか、逆にいうとぜいたくな部分といいますか。かなりコストを払ってもこういう議論をさせてもらえるんですね。
 そういう意味でしかし逆にいうと、非常に私は大事ではないかと思っていまして、この安全委員会に私が入ってからまだ1年ちょうど立ったぐらいなのですが、耐震設計の議論を今これに並行してやっていまして、耐震の安全の議論を原子力施設ですけれども、別に耐震の先生方に集まっていただいてやっていただいているのですが、ここの議論が私はむしろ原子力安全との関連でどこまで一般の安全と原子力安全がどういう関係であれば、日本において許容されるといいますか、皆さんの理解が、理解というとクラーク先生にまたご指摘を受けてしまうかもしれませんが(笑)、要するに国民的あるいは社会的に認めてもらえるのかといいますか、理解を受けられるのかというそういうところが。
 安全目標といってすべてをカバーする議論というのは、本来は理想かもしれませんが、やはり日本の特徴を考えると耐震設計というのは、ある意味ではわかりやすい例といいますか議論しやすいところなので、今これを非常に intensiveに専門部会といいますか分科会の方で議論していただいていますので、これがむしろ、先生がおしゃったような意味では比較的近い将来にある種のメッセージをこの安全委員会として出せるのではないかなと。こんなふうに思っています。
○飛岡委員 安全目標というのは非常にむずかしい分野だと思っておりますけれども、先ほど大橋先生がおっしゃった一番大切なことは、ある種の安全目標を設定してそのゴールに関して、常にそれが守られておりますということを示し続けることという努力は非常に必要なことだろうと思っております。
 先ほど委員長申しましたように安全目標をだれが決めるのか。その安全目標というのは原子力なら原子力の産業の中でも違っていいのかどうか。いろんな問題があるだろうと思うのです。けれども当面やはり必要なことはある種の安全目標ということを定性的にも定量的にも定めまして、それがギャランティーされているということを示し続けることというのが、非常に大きな意味で貢献することだろうと思っておりますので、それについてはぜひ我々も頑張りたいと思っておりますし、ご支援いただきたい。
 くどいようですが、安全目標というのは使い方を一つ間違えますといろいろむずかしいことが出てまいります。ご理解いただくという格好になるつもりのがそううまくいかないこともある。今、鈴木先生がおっしゃった耐震の安全設計の安全目標と、それから一般の原子力の安全目標とがどこでどう合致するかということを理論的に構築するとこれ非常にむずかしい問題がまだまだ残っているとは思っておりますけれども、しかしやはり、そういうアクティビティーは必要であるというふうに我々は考えております。
○松浦委員長 今、大橋先生からご指摘ありましたように安全目標の問題がありましたが、その他にも具体的な政策目標あるいは項目につきまして、やや具体論でいろいろとご意見をいただければありがたいと思いますが。
○G・クラーク 今日本で目標という言葉よく使っています。私、教育改革にちょっと巻き込まれちゃったのですけれども、目標ばっかりなのですけれども具体的な措置になると、ちょっと足りない面がときどきあります。もちろん、みんな安全欲しいのです。目標としてももう決まっているのではないか。現場で具体的に何をやっているか。こういう問題なんです。JCOの事故でもおっしゃられたように日本場合はめちゃくちゃなこと起こりやすいのです。
 一方、日本人は確かに外国と比べれば几帳面なのです。品質管理とか細かいことすごくうまい、上手。しかし組織、文化と申し上げれば隠ぺい作戦がはびこっているのです。なあなあ主義とか、アメリカの場合はTMIの事故のあとでご存じのようにインスペクターをかなり増やして監視制度が非常に厳しくなったのです。ちゃんとやらないと罰金とか、そういうのは金融制度も同じなんです。大和銀行がいじめられちゃったように。日本はそういう制度を導入するのが不可能なんです。厳しくできないですよ、金融制度がこういうめちゃくちゃな状態になって、これは一つの現象なんです。
 原子力はもちろん銀行よりももうちょっと責任が強いのですけれども、幸いなことなんですけれども。にもかかわらず厳しくやるかどうか。もう決まっていますよ日本の場合。そのグループに入るとグループと一緒に同じようになりたいのです。村八分になりたくないのです。だから安全のためだけではなくて宣伝価値のために、私はその宣伝の問題を非常に心配していますよ。もう目の前に反対運動がどんどん、国民の理解は高まっていると。今まで国民はあまり意見はなかったのです。しかし同時に反対運動は強くなってきましたのです。
 宣伝のためにも徹底的な、日本では内部告発ということは今までは許されていなかったのです。やっと法律の上で許される。けれども許されるというよりも原子力安全の場合は奨励すべきですよ。許すよりも奨励すべきなんです。そして内部告発、例えばJCOの工場の中で働いてあれを見てて、明らかに危ないと思ったら告発すればあなたは奨励金もらうとかね、そういう制度は村八分ではなくてあればあの事故は防げたかもしれません。
 反対運動の人たちの前にあなたたちは自己満足とかだれも読まない冊子とか、読みたくない冊子、これ大宅さんの批判はぴったりですよ。見てもうすぐわかるんですよ。内容が何を書いてあるかわかるのです。それよりもあなたたちは真剣にこの安全問題に取り組んでいるのです。反対意見とかを奨励する。反対意見と対話をやりたい。告発を奨励する。徹底的にやっているということを示さないとこの問題はますます深刻になる。いや、これは宣伝の面だけではなくて客観的な問題も残るのではないかな。
 監視制度は日本の場合は厳しくなるのは不可能なんです。もう文化で決まっているのです。文化を変えない限り強くならないと思います。どんなに宣伝しても。
 以上です。
○松浦委員長 非常にむずかしいご指摘をいただきまして、実は、私自身が今行っている現場との意見交換の中では奨励はしていないのですけれども、安全文化として一番重要だということで特に現場で言っておりますのは、 questioning attitude という言葉がIAEAが書いたセーフティ間者の中で使われておりますけれども、それを使いまして、とにかくおかしいと思ったら常に聞く、質す、確認する。それが現場で一番大切だと。そのことが上長にちゃんと受け入れられるということをその現場でつくりあげてくださいと。また、そういうありようを会社全体のトップから現場までそれが通ずるようにしてくださいというのもお願いしているというか指摘しているのですが。
 今、先生言われましたように明らかに日本文化の中に村八分になりたくないというのがあると思います。私これも現場でお話するときにどうしてそういう文化ができたかというのを考えてみると、やはり日本が2000年間にわたって水田耕作農業を行ったという、そのところがベースではないかと思う。
 日本の景色を見ますと、ちょっと外へ出ますともうそこらまったく平らの地面ができている。日本の国土が昔平らであったはずがない。これを水を使うということのゆえに平らにしないとできない。で、水を使って農業をやろうと思うとみんなの協力一致、時間的にも空間的にもお葬式のときにも協力一致でないといけない。これをもう2000年以上続けてきた。その中で出来上がった文化の中ではどうしてもみんなと一緒というのがあり得る。だからこれはもうそれを抜くということはほとんど、私は不可能だと思うのですが、その中でそのことが不安全、非安全文化的な要素にならないように考えてくださいということを言っているのですが。
 先生が言われたことよくわかるのですが、その文化と告発という行為があまりにも文化的に差があり過ぎて、これは非常に受け入れられがたいなと思うのです。ですから、何かそこのところで工夫をしない限りせっかの先生のご指摘なのですが、現実的にはとても我々日本文化の中でそれをやれというのはむずかしいかなと私自身はいつも思っているのですが、村上先生から何かご意見あるようですので、お願いします。
○村上 私もあちこちでホイッスルブロアーのゾーイングのことを提唱してまいりましたのですが。でも考えてみると、例えばアメリカでももうすでにいくつかの州では、これは大橋先生もよくご存じだと思いますけれども、エーベットという工学系の大学の認証機関の中のエスカル構図を扱うところではどういう状況のもとにあなたがいるときに、あなたはちゃんとホイッスルブローをすることができるかということが問われていたりするわけですが。
 でも、アメリカでもやはりホイッスルブロアーに対する社会の目というのは決してよくはない。だからわざわざホイッスルブローイングした人が、例えば会社をクビになったりしたときに、それを救済するための組織までつくりましょうと。例えば次の職場へ行くときにはこの人はいわば正義のために職を失ったのだというちゃんとレコメンデーションでレターも書きましょうというような、そういう救済策をやはり取っているわけですね。ですから、クラーク先生のおっしゃるように文化の根底にあるものがもちろんあるのですけれども、でも社会組織を少しずつ変えていくことによって、ある程度の解決はできるのではないかというのが1つ。
 もう1つは、しかし考えてみると現実に起こっていることは全部、日本でも不祥事が明らかになっているのはすべてホイッスルブロアーなんです。雪印であろうが何であろうが全部そうなんです。それは残念ながらホイッスルブローイングではなくて内部告発なんですね。つまり、企業なり組織なりの内部でちゃんとしたホイッスルブローをしているにもかかわらず、それがまともに取り上げられなかったときに外のジャーナリズムへ告発するという内部を外部へ告発するという、そういう動きになるわけですね。これが私はもっともまずいのだと思う。
 だから組織なら組織がきちんと、もちろんホイッスルブローイングの中には、多分1,000のうち3つでしょうか、ぐらいしかまもとなホイッスルブローイングはないかもしれない。けれども組織が組織内の中できちんと現場なり個人なりの、先ほどの questioning attitude でもいいのですが、何らかの問題があるということをきちんと評価して、それが組織の中できちんと評価されて自分たちの改善につながっていくという道が常に示されているということが明らかになっていけば、外へ出る前に中で多くの問題が解決されていくだろうと思うのです。それは私は村八分にならずに済む一つのチャンネルではないかと思うのです。
○G・クラーク ごめんなさい、私の言葉の使いあまり上手でなかった。外へ告発するよりもホイッスルブローイングという意味だったのですけれども。というのは、組織の中でこういうふうに不祥事を暴露すれば組織の中で奨励される。あるいはオンブズマンの方から、組織よりもオンブズマンの方が一番いいのですけれども。すぐ朝日新聞で告発という意味ではなくて、安心してください(笑)。
 まったくおっしゃるとおりアメリカでも、アメリカは稲作文化ではないのにあまりホイッスルブローイングは歓迎されない、いじめられますよ。けれども私が申し上げているのは、アメリカの場合は不祥事があるとすれば厳しいインスペクション制度を使うのです。金融産業、原子力産業、同じなんです。それでインスペクトは第三者です。これは目的の違いがあるとすれば外国人は敵対関係です。自分が組織の中でなければ相手は悪いやつだとか、非常にそういう面が、町を歩いても相手は友達ではない。ひどいですよ。私、あの態度から亡命したんです。日本のやり方は本当に好きなんですよ。(笑)
 敵対関係から初めからスタート、特にインスペクトの場合はね、やつは何やっているか。悪いことやっているのではないかとかね、厳しい。それで不祥事を発見すれば相手はひどく罰金されますよ。大和銀行一つの例だけではないです。だからそういう形で問題はある程度克服されたのですけれども、日本の場合、インスペクションは厳しくならない。組織はアメリカよりもホイッスルブローイングはあまり歓迎もされない。
だからだれか何らかの無理であっても日本の文化の根源を否定しても、この前も各省にちょっと話、顔を見て本当に苦しくなったのですけれども、文化的には不可能でという説明をしようとしたのですけれども、無理であっても100%の安全のためだけではなくて、宣伝価値も抜群だと思います。あなたたちはほかの組織と違って、銀行とかほかと違ってあえて安全を徹底させるためにそこまで進歩した。ああーっ、やっぱり本気だ。自己満足ではなくてある程度自己否定するまで、安全を確保するためにやってくれるのではないかという印象を与えるのではないかと思います。
○小早川 大変興味深い話になってきたので一言割り込みます。ホイッスルブローイングがなぜできないか。まともなホイッスルブローイングもなぜできないかという場合、確かに委員長おっしゃったように日本の農耕文化の問題はあると思うのですが、私はしばらく労働委員会の委員をやっていたのですけれども、その経験なんかからも考えますと、企業における労働組合の力がどんどん弱くなっているということが1つ、それは全部ではありません。象徴的な話だと思います。
 やはり日本人は仲良くするだけではなくて、一つのグループに自分を全部預けてしまうというふうになるんですね。だから労働組合を一生懸命やったのですけれども、結局そういう日本の文化に勝てなかった。で、社員は会社に属すればそれで必要十分であるということになってしまうので、だから労働組合も1つですが。
 それからもう1つは、恐らくこの分野ですと専門家としての資格なり集団なりですね。専門技術者としてこんなことをやらせているのは恥ずかしいじゃないかという、そういう意識があればそこは違うと思うのです。ところが、企業の話だけではなくて横断的な専門家としてのプライドをいかに育てるかということがもう1つだろうと思います。そういういろんなホイッスルブローイングを支える、そしてそれをいいことだと言って評価するグループが多層的に複合的に存在する。そういうことによってバランスがとれてくるのではないかという気がしています。
 ただ、こういう話をきょうはここでやるのがいいのかどうかですが(笑)。
○大橋 この重要な項目の1つに「国民の理解の促進」というのがあります。これに白書の公表とか地方の安全委員会の開催とかが並んでいますが、これはこれでよろしいと思います。私が思うには、もし「国民の理解の促進」ということで考えるならば、例えば浜岡の事故でもいいのですけれども、何か事故が起こって国民の理解がゆらぐというときに、原子力安全委員会がどこまでコミットしていいのか、コミットすべきかということについて、問題提起したいと思います。
 一国民として見れば、原子力安全委員長、松浦委員長がテレビの前に直接出てきて、自分はこう思うと話しをする。安全なら安全と思うと言えばいいし、問題があるなら問題があると言えばいいし、コミッショナーの顔が見えるという形でその見解を直接訴えるという局面があると、「あっ、安全委員長が言っているのだったらそうかもしれない」という具合で国民における理解の促進にインパクトは極めて大きいと思います。けれども5人の委員の方々が恐らくそういう面で委員として、個人として発言されることは我々が見ている限りはあまりありません。
 総務課長の説明などによると、あまり出るとそれは促進の方に回るのであって、規制機関である安全委員会の役割としては問題だという考え方もあると。確かにそれもわかるのですけれども、けれども安全委員長なのだから安全問題について国民が何か答えを欲しいと思うときに、パッと出てきてパッと言うぐらいのことあってしかるべきじゃないかと、私自身は思うのです。この辺のことについてやっぱり安全委員会の中で十分議論していただいて、どうすべきか考えていただきたいと思います。
○松浦委員長 今、浜岡の事故のことを例に出してご発言ありましたが、安全委員長が出て何か言ったことが国民一般に安心感を与えるかどうかについては、そう私は簡単な話ではないと思うのですけれども。
 例えばああいう事故が起こりますと、安全委員会の立場としますと、その事故の本当の理由といいますか科学技術的にどういうことかということをちゃんと押さえる前に「大丈夫だよ」というなんてことはとても言えないというのがあります。そうしますと、今回の場合ですと浜岡の事故が起こりましたときに保安院は当然すぐに調査を始めますけれども、安全委員会としても事故故障の調査専門部会を招集してワーキンググループを立ち上げて、独立に調査をするということを始めます。そういうのが段取りとして一番普通のやり方かなというのが安全委員会の判断であったわけです。
 もちろん、そういう調査はかなり時間かかりますので、もう重いからやめますみたいな話になるというのはやむを得ないのですけれども、そこはやはり先走ってやるということのマイナスよりはましかなというのが我々の考えなんです。今回の件につきまして国民の前で言うたことがあるかどうかにつきましては、実はこれは国会の予算委員会だったと思うのですけれども、予算委員会に呼ばれまして質問を受けまして、それに対しての安全委員会の見方というのを説明したということはございますけれども、こちらからこうこうこだよというのを言ったということは確かにございませんし、これからもなかなかそこはすぐ出てきて何かやるというのは、これはややあり得ないことではないかと私は思いますが。
○村上 何と申しますか、おっしゃるように今のところ大丈夫なんだとか、これはこういう理由だからこうなんだということが何の裏付けもなくおっしゃれないというのは、これはもうもちろん当然のことで。ですから、それがおっしゃれないというのはよくわかります。お立場としてもそうだと思います。で、委員会全体としてもそうだと思います。
 ただ、委員会としてどういうふうに対応しようとしているのかということについての非常に素早いメディアへの情報の流し方というのはあるのではないか。これは保安院と比較するのは大変失礼ですけれども、保安院が例えば『朝日』で比較的、今社会面でも科学面でも visibility が高くて、保安院の活動というのが少なくとも『朝日』なら『朝日』というメディアではきちんと載りますね。ほとんど必ず載っているような気がします。
 ああいうメディアにさらされているというエクスポージャーということは安全委員会というものの持つ働きとして、やっぱり私はもう少し積極的でもいいのではないかなという気はしております。ほかの組織と比べるべきではないのです。ステータスも違いますし、順序からいっても安全委員会の方がいわば上にあるわけですから。そういう意味では比べてはいけないのですが、その visibility というのがもう少し高くてもいいんじゃないかなという気はいたします。
○松浦委員長 実は、今の件に関しまして我々の今やっておりますやり方は visibility という点ではすべての原子力安全委員会の委員会そのもの、それから専門部会、ワーキンググループのすべてが公開でありまして、そしてそれにはメディアの方々が大体常時おいでになっております。したがって、この間の浜岡の件に関しましてもすぐ調査の専門部会を開いたり、ワーキンググループを開いてそのときの議論というのは、いくつかのメディアで取り上げられて載っているというそういうことがありますので、その点ではある時期の間ではかなり visibility というのは示したのではないかと思いますが、しかし継続的に見ますと確かに『朝日新聞』の取り上げ方というのはやや違うというのはよくわかります。意外に『毎日新聞』の方がよく取り上げてくれているかなという気がするのですけれども(笑)、そのあたりはああだこうだと言ったってそれは五十歩百歩でありますので。
 ただし、今先生のご指摘のように保安院と原子力安全委員会というのは明らかに役割が違いますので、したがってその役割の違いを十分認識したうえで我々としての visibility をどういうふうに果たしていくかというのは、もう少し我々もアートをつくるように心がけるべきかもわかりません。これはなかなか我々そういう役割を果たすのが下手くそな人間が多いものですからむずかしいのですけれども。今のご指摘はよく心得たいと思います。ありがとうございます。
○須田委員 先ほど大橋先生から浜岡の事故の話が出ましたけれども、事故が起こって10日足らずあとに安全委員会としてもう一度現地を見ておこうということで、私とあと何人かの専門家の方が現地にまいりました。で、視察を終わりましたら早速メディアの方につかまりまして記者会見のようなことをやりました。
 何人かの人におまえテレビに出ていたなと言われましたので、まったくそういうことがなかったわけではないのですけれども、そのとき思いましたのは、やはり出る質問は「なぜ、あれが起こったかと思いますか」、「原因は何ですか」ということで、それは先ほど委員長が言いましたようにまだ10日も立っていないときに軽々しく言えることではない。
 先ほど村上先生が事象はまだわかっていなくても、それに対して原子力安全委員会がどういうふうに取り込もうとしているかという話はできるはずだとおっしゃったのは、まことにそのとおりだと今うかがっていましたのですが、残念ながらそういう質問は一回も出なかった。今、村上先生のご指摘をうかがって、質問は出なくてもこちらから売り込むべきであったかなという反省をしております。
○大橋 先ほどの発言は、議論を引きおこそうと思ってわざわざやったところもあります。安全委員長の役割も十分わかるのですけれども、例えば浜岡の事故で言ったら、あの事故原因は最初は当然わからなかったわけですね。ウォーターハンマーという話もあったし、水素の燃焼という話もあったし、いろいろあった中で最初からはっきり言えるはずはありません。
 あの事故が全体的な安全的見地からどういう位置を占めるかとか、むしろ森を見るような見地での原子力委員長としてのあるいは委員会としての発言ぐらいは、やっぱり相当国民の理解に対して大きな影響があったのではないかと思います。何をしゃべるかということは別として、やっぱりもっと、テレビを見ていて、安全委員長がこう言ったよということが話題になるような状況というのが好ましいのではないかと。そういう意味で発言しました。
○G・クラーク これすごく大事なポイントなんですよ。安全委員会は原子力発電の全体の産業イメージとして非常に暗いんですよ。自分の間違いは認めたくない。ブラックホールみたいな存在なんです。
 日本の文化論を展開しようと思えば、ほかの組織は何か不祥事があるとすれば、上の人の責任まったく関係でないのに辞任しますよ。引責して辞任するんですよ。安全委員会はまったく、もちろん自殺までしなくてもいいんですけれども。辞任という、いや本当に自分がもっともっと監視すべきだったのです。事故が起こらないように約束したけれども事故が起こちゃった。責任をだれも取ろうとしないのです。ではないかという日本の文化論の中にはそういう、とにかくそういう反応があるとすれば、もうちょっといいイメージを与えられるのではないか。
 イメージの面では私の目から見てほかにいろいろやるべきなのですけれども、これもその中の1つではないかと思います。
○小早川 ちょっとずれますけれども、少し早めに失礼したいものですから。
 浜岡の事故をテーマにこの政策評価、きょうはその政策評価のまとめた評価ということだと思いますので、そういう方に引きつけて考えますと。
 事故故障・トラブルの調査分析でこういうことをやったし、これからこういうことをやると。安全基準指針類を整備する。ダブルチェックについてはさらに効率的にやっていくというふうに書いてありますが、浜岡なら浜岡の事故について原因が何であったか。事業者に何をさせるべきだったかあるいは規制行政庁に何をさせるべきだったかということは、もちろん安全委員会として安全を取り扱う専門家の立場から言うべきことは言い、やるべきことはやるのですが、ただ、そういう安全委員会の政策目標を達成するための行動がうまくやれているかどうかをまさに評価しなければいけないわけなので。
 ですから、ここでは浜岡の場合はどうなのかわかりませんが、ある事故が起きたことについて安全委員会がさかのぼって何かやるべきことをやっていなかったのか。これで十分だと思っていたけれども何かこういう観点を付け加えればこの事故は実はさかのぼって防げたかもしれないという、そこをまさに評価の中で、つまり反省をしてごらんになるということが必要なのではないかということを感じて、最初に発言したのも具体例としてはそんなことを考えながらしていたわけで、ややいまいち物足りないなと思ったのは、例えばそういうことなんですね。
 ついでですが、もう1点別のことですが、規制調査の点という、これは安全委員会としてはめずらしく政策的な判断で、法律上やると言われていないことだけれども必要だと。これは安全委員会が判断したのか政府全体が判断したのかわかりませんが、そういう政策的な判断で取り組まれたことだろうと思いますが、だとすれば、この点なんかはまさにその政策評価でこれをやったことが本当に規制行政庁にまかせておくのに比べて、やっぱりよかったんだというのであれば、どこがどういうふうによかったのかということを、もっと突っ込んで書けるようなそういう項目なのではないか。
 いや、こんなものやったけれども屋上屋ででもってあまり意味がなかったというならそうお書きになるべきだし、もしこういうものがやっぱり必要なんだということであれば、これは今後、むしろこれは法令で明示していくと。安全委員会のきちんとした役割として確定していくべきだということを、ここで評価の結果としてはっきり打ち出すというようなことも必要なのではないかというふうに思います。
○松浦委員長 ありがとうございます。まさに我々が事故評価すべきポイントについて非常に具体的にご指摘いただきまして。まさに今、具体的に指摘いただきました浜岡の事故に関しましての問題については、今ちょうど最終報告書に向けてのまとめが進んでいるわけでありまして、その中で今先生おっしゃったようなことをどういう視点で報告書の中に入れるか。そのことが行政庁の方の今後の規制にどう役立てるかという、その点はまさに我々として今後の一番検討すべきところだというふうに考えております。
 それから規制調査に関しましては、これは実は始まったところでありますので、もう少し実績を積みたいと思っておりますが、しかしありていに言いますと、ものによっては行政庁との間に非常に緊張感の強いものであります。緊張感の強いものというのは、私は逆に効果のある可能性があるものだと思っておりますので、この点はもう少し、今まだ実際に1年終わったところでありますので三、四年のところはしっかりと続けていきたいと思います。その中に先生からご指摘があったようなことを抽出して今後への実際にしたいと思います。
○小早川 その緊張感という言葉は何度か出てきて、そこでおっしゃりたいことはわかるのですが、もしそうだったらもっと遠慮せずに規制行政庁に任せてではだめなんだということをおっしゃって、それだからこそ緊張感というのは意味があるということになると思うのですよね。
○松浦委員長 ありがとうございます。
○鈴木委員 今後こういう政策評価会議、どのようにするかもいずれまたご相談しなければいけないと思いますけれども。例えば今、小早川先生がおっしゃったような点、非常に私は重要なポイントではないかと思いまして、きょうの全体の進め方というのは2回目ですし、全体を見ていただいているのですけれども、例えばその規制調査というようなことに特化してちょっとご議論いただくとか。
 というのは、クラーク先生がおっしゃるような意味ではなかなか日本の文化の中でインスペクションを厳しくするといってもそれは限界があるのではないかというご指摘もあり、ここは一つポイントではないかと思うものですから、例えば一つの有力な今後のテーマとして考えさせていただきたいと思います。
○松浦委員長 先生方お忙しいところへだいぶお時間もとっていただきまして、お二方席をお立ちになりましたので。特に付け加えていただくというご意見ございましたらお願いいたしまして、そろそろ終わりにしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 どうぞ、お願いします。
○村上 ある意味で小さなことですが、先ほどの少し分厚い方の29ページあたりですが、行政庁がというので行政庁とは異なった多角的な観点から調査を行っているというような報告が書かれております。「必要性」というところの2番目のポツですけれども。それからもとへ戻りますが、20ページの真ん中あたりに「各国のテロ対策に関する情報を交換してテロ対策の強化を図ったり」というような言葉が出てまいります。
 この報告書がどういう形で世の中に広がっていくのかということが、私にはまだ完全にはわかっていないのですが、もしも例えば私なんかがこれを読んだとすると、じゃあ、例えばテロ対策の強化って具体的に何なんでしょう。どういうことが今までより新しく付け加わったのでしょう。あるいは「多角的な観点から調査を行って」と、じゃあ、どこが違ってどういうふうに具体的にこことは違うここが、安全委員会が独自のことがどういうふうにやれているのでしょう。というようなところが明らかにならないと、「なるほど、そうでしょうか」という反応で終わってしまうように思います。
 そういう一つひとつの持っている情報の具体性のようなところを、やっぱりちょっと気をつけていただければ。もちろん、テロ対策を明かしちゃったらこれはテロ対策にはならないわけですから、具体的にどこへどう警備をしたなんていう話は要りませんけれども、少なくとも今までよりどういう意味で向上したのかというようなことについての具体的なインフォメーションが、やっぱり少し必要なのではなかろうかという気はいたします。
○松浦委員長 これが世の中に出る出方としては、実はこれはきょういただいたご意見を踏まえて我々の評価書の中身を少し書き換えるところは書き換えまして、そしてこれは内閣府に提出するんですよね。
○塩田補佐 これは原子力安全委員会の政策評価として独自に出すということと、それから内閣府は内閣府としてまた全体まとめて出すのであれば両方に。
○松浦委員長 ということで、これは安全委員会の席上に最終的なものとして出て、それがそういう形で一般化されるということであります。
 今ご指摘の点につきましては、今後各事項についてよく見直してみたいと思います。
 ほかにはよろしゅうございますでしょうか。
 どうも本日は長時間にわたりましていろいろと貴重なご意見をいただきましてありがとうございました。きょういただきました意見をよく我々も考え直しまして、我々の政策及び今後の施策の展開に十分に生かすようにさせていただきたいと思います。きょういただきましたご意見は中には相当にむずかしいこともございますので、なかなかすぐにとはまいりませんが、少なくともその方向で努力をするというふうにさせていただきたいと思います。
 今後ともまたいろいろとご鞭撻、ご指導をいただきますようにお願いいたしまして、本日の会議を終わらせていただこうと思います。どうもありがとうございました。
                        

午前11時56分 閉会